臨床検査63巻6号

2019年06月発行

今月の特集1 生理検査における医療安全

生理検査機器の安全管理

著者： 桝谷直司¹

所属機関： ¹東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部

ページ範囲：P.714 - P.720

Point

●生理検査機器の安全管理は，検査精度の維持や患者安全管理の観点からも重要である．

●生理機能領域では機器管理に一貫した基準が確立しておらず，施設間でも相違がある．

●ISO 15189では検査機器に対する要求事項も重要視されているため，これから認定取得を目指す施設では，早い段階から取り組む必要がある．

●生理機能に携わる臨床検査技師は，検査機器の安全管理に対する意識が比較的低く，今後安全管理にも目を向けるべきである．

参考文献

1）日本工業標準調査会：日本工業規格〔Japanese Industrial Standards（JIS）〕（http://www.jisc.go.jp/）（最終アクセス：2019年4月4日）

2）安川孝志：医療機器の薬事法改正．レギュラトリーサイエンス会誌　4：207-213，2014

3）日本規格協会，ISO/TC212国内検討委員会：臨床検査室—品質と能力に関する要求事項：ISO15189：国際規格　第3版（英和対訳版），日本規格協会出版事業部，2012

4）日本呼吸器学会肺生理専門委員会（編）：機器の精度管理とメンテナンス．呼吸機能検査ガイドライン—スパイロメトリー，フローボリューム曲線，肺拡散能力，メディカルレビュー社，pp31-33，2004

5）日本超音波検査学会学術委員会標準化部門：機器のメンテナンス　超音波診断装置のメンテナンス，日本超音波検査学会，2007（http://www.jss.org/committee/standard/doc/04_mainte.pdf）（最終アクセス：2019年3月22日）

6）桜井正児，河本敦夫，鶴岡雅彦，他：乳房精度管理用ファントムを用いた画像劣化の評価．乳腺甲状腺超音波医　3：1-7，2014