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今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
骨髄異形成症候群の遺伝子異常
著者: 市川幹1
所属機関: 1獨協医科大学内科学(血液・腫瘍)
ページ範囲:P.804 - P.810
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●骨髄異形成症候群(MDS)は形態学的特徴とともに染色体異常の種類によってそのリスクが分類され,遺伝子異常の種類が病態を規定すると考えられている.
●MDSにおいては染色体転座の頻度が低く遺伝子異常の同定が進んでいなかったが,近年の全ゲノム解析技術の進歩により原因となる遺伝子異常が多数同定された.
●MDSにおいて変異がみられる遺伝子パネルを用いたターゲットシークエンシングによって,MDSの症例のほとんどにおいて遺伝子変異が認められる.
●最新の世界保健機関(WHO)分類においてSF3B1変異が取り入れられるなど,遺伝子異常の同定はMDSの診療に不可欠のものとなりつつある.
●骨髄異形成症候群(MDS)は形態学的特徴とともに染色体異常の種類によってそのリスクが分類され,遺伝子異常の種類が病態を規定すると考えられている.
●MDSにおいては染色体転座の頻度が低く遺伝子異常の同定が進んでいなかったが,近年の全ゲノム解析技術の進歩により原因となる遺伝子異常が多数同定された.
●MDSにおいて変異がみられる遺伝子パネルを用いたターゲットシークエンシングによって,MDSの症例のほとんどにおいて遺伝子変異が認められる.
●最新の世界保健機関(WHO)分類においてSF3B1変異が取り入れられるなど,遺伝子異常の同定はMDSの診療に不可欠のものとなりつつある.
参考文献
1)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al:WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, Revised 4th ed, IARC Press, Lyon,2017
2)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 特発性造血障害に関する調査研究班:骨髄異形成症候群診療の参照ガイド 平成28年度改訂版,2017(http://zoketsushogaihan.com/file/guideline_H28/04.pdf)(最終アクセス:2019年5月24日)
3)市川幹:MDSの病態/ゲノム異常.臨血 57:1972-1979,2016
4)Yoshida K, Sanada M, Shiraishi Y, et al:Frequent pathway mutations of splicing machinery in myelodysplasia. Nature 478:64-69,2011
5)Welch JS, Petti AA, Miller CA, et al:TP53 and Decitabine in Acute Myeloid Leukemia and Myelodysplastic Syndromes. N Engl J Med 375:2023-2036,2016
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