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文献詳細

雑誌文献

臨床検査63巻9号

2019年09月発行

文献概要

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常

腫瘍マーカーが高かったら

著者: 宮地勇人1

所属機関: 1東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学

ページ範囲:P.1024 - P.1028

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Point

●腫瘍マーカーの多くは,感度と特異度の点から早期癌の発見や予後改善に対する有効性は明らかでない.

●腫瘍マーカーは,年齢,性別,習慣などによる生理的変動や,技術的変動を示し,健常者で高値を示す場合がある.

●腫瘍マーカー上昇は,組織の炎症や肝・腎機能障害,糖尿病などの代謝,排泄の変化によることがある.

●対象とする癌のリスクが高い場合,すなわち有病者の率(有病率)が高い患者群では,検査結果が陽性の場合に癌と診断できる確率(検査の陽性予測値)が高まる.

参考文献

1)宮地勇人:腫瘍マーカー異常と対応.健診・人間ドックハンドブック 改訂6版(日野原重明監,小川哲平,天野隆弘,北村聖編),中外医学社,pp300-307,2016
2)本田孝行:腫瘍マーカー検査.異常値の出るメカニズム 第7版(山田俊幸,本田孝行編),医学書院,pp169-175,2018
3)Duffy MJ:Tumor markers in clinical practice: a review focusing on common solid cancers. Med Princ Pract 22:4-11,2013
4)Wen YH, Chang PY, Hsu CM, et al:Cancer screening through a multi-analyte serum biomarker panel during health check-up examinations: Results from a 12-year experience. Clin Chim Acta 450:273-276,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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