文献詳細
文献概要
今月の特集1 検査でわかる二次性高血圧
腎血管性高血圧
著者: 熊谷裕生1 福永継実1 佐藤博基1 森和真1
所属機関: 1防衛医科大学校腎臓内分泌内科
ページ範囲:P.124 - P.129
文献購入ページに移動●腎動脈の狭窄によってその末梢の糸球体の入口からレニンという酵素が分泌されて,血漿レニン活性(PRA)が増加する.血漿活性型レニン濃度(ARC)という,迅速に結果が出る測定法もある.
●レニン増加によりアンジオテンシンⅡ(AngⅡ)が産生されて,全身の血管を収縮させて高血圧となる.血漿アルドステロン濃度も上昇して,血清ナトリウム(Na)濃度は上昇し,血清カリウム(K)濃度は低下する.
●このレニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAA)系の亢進による血圧上昇機序は,片側性の腎動脈狭窄症例でみられる.一方,両側性の腎動脈狭窄による腎血管性高血圧では,有効循環血漿量が増加してPRAや血漿アルドステロン濃度が高くない症例もあるので,注意が必要である.
●腎血管性高血圧の診断には腎機能障害患者が多いので,ヨード剤を必要としないMRアンギオグラフィと腎動脈ドップラーエコーが有用である.
参考文献
掲載誌情報