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文献概要
今月の特集1 検査でわかる二次性高血圧
内分泌性高血圧
著者: 佐藤敦久12
所属機関: 1国際医療福祉大学医学部腎臓内科 2国際医療福祉大学三田病院腎臓・高血圧内科
ページ範囲:P.130 - P.138
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●内分泌性高血圧は代表的な二次性高血圧であり,内分泌器官からホルモンが過剰に分泌され高血圧を呈する.見逃して漫然と治療を行っていると,血管合併症が進行する.
●原発性アルドステロン症(PA)は頻度が高く,年齢,血圧が同等の本態性高血圧患者に比べ,脳心血管系の合併症が3〜5倍多いことが問題である.
●Cushing症候群(CS)はまず臨床症候から疑うが,高血圧,糖尿病(CSの非特異的症候)などの診察時に,本症の特異的症候を見逃さないようにすることが大切である.
●褐色細胞腫,パラガングリオーマは,遺伝子異常を認める例が30〜40%もあることが明らかにされた.常に悪性の可能性を考え治療をするが,悪性褐色細胞腫,パラガングリオーマの治療は極めて困難である.
●内分泌性高血圧は代表的な二次性高血圧であり,内分泌器官からホルモンが過剰に分泌され高血圧を呈する.見逃して漫然と治療を行っていると,血管合併症が進行する.
●原発性アルドステロン症(PA)は頻度が高く,年齢,血圧が同等の本態性高血圧患者に比べ,脳心血管系の合併症が3〜5倍多いことが問題である.
●Cushing症候群(CS)はまず臨床症候から疑うが,高血圧,糖尿病(CSの非特異的症候)などの診察時に,本症の特異的症候を見逃さないようにすることが大切である.
●褐色細胞腫,パラガングリオーマは,遺伝子異常を認める例が30〜40%もあることが明らかにされた.常に悪性の可能性を考え治療をするが,悪性褐色細胞腫,パラガングリオーマの治療は極めて困難である.
参考文献
1)Milliez P, Girerd X, Plouin PF, et al:Evidence for an increased rate of cardiovascular events in patients with primary aldosteronism. J Am Coll Cardiol 45:1243-1248,2005
2)日本内分泌学会,日本内分泌外科学会(編):わが国の原発性アルドステロン症の診療に関するコンセンサス・ステートメント.日内分泌会誌 92(Suppl):21,2016
3)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):高血圧治療ガイドライン2019,ライフサイエンス出版,2019
4)Funder JW, Carey RM, Mantero F, et al:The Management of Primary Aldosteronism: Case Detection, Diagnosis, and Treatment: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab 101:1889-1916,2016
5)Nanba K, Tamanaha T, Nakao K, et al:Confirmatory testing in primary aldosteronism. J Clin Endocrinol Metab 97:1688-1694,2012
6)日本泌尿器科学会,日本病理学会,日本医学放射線学会,他(編):副腎腫瘍取扱い規約 第3版,金原出版,2015
7)William F. Young Jr.(著),成瀬光栄,平田結喜緒(訳・編),他:実診療から生まれた内分泌クリニカルパール,診断と治療社,2015
8)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業間脳下垂体機能障害に関する調査研究班(主任研究者:大磯ユタカ):クッシング病の診断の手引き(平成21年度改訂),2009(http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance/cushing.pdf)(最終アクセス:2019年10月28日)
9)柳瀬敏彦,藤枝憲二,桐野浩樹,他:厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患克服に関する研究 副腎ホルモン産生異常に関する調査研究.平成22年度総括・分担研究報告書,pp117-124,2011
10)日本内分泌学会,日本内分泌学会「悪性褐色細胞腫の実態調査と診療指針の作成」委員会(編):褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018.日内分泌会誌 94(Suppl):1-90,2018
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