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増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 1章 腹部エコー
急性胆管炎
著者: 岩下和広1 岡庭信司2
所属機関: 1飯田市立病院放射線技術科 2飯田市立病院消化器内科
ページ範囲:P.346 - P.350
文献購入ページに移動急性胆管炎は胆管内に急性炎症が発生した病態であり,その発生には①胆管内に著明に増加した細菌の存在,②細菌またはエンドトキシンが血管内に逆流するような胆管内圧の上昇の2因子が不可欠となる1).特に重症例では,ショックや意識障害,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)などの予後不良な病態に進行するため早期治療が必要な疾患である.そのため生理検査パニック値(像)の運用指針ワーキンググループが定める腹部エコー(ultrasound:US)検査のパニック像では,急性胆管炎が疑われた時点でGrade Ⅱ,症状を伴わない閉塞性黄疸も急性胆管炎へ移行する可能性があることからGrade Ⅰとしている2).
胆汁は本来無菌であるが,胆管閉塞などにより胆汁のうっ滞が生じると細菌増殖(胆汁感染)をきたす.胆管閉塞の原因としては肝外胆管結石の頻度が最も高いが,近年は悪性疾患や硬化性胆管炎,非手術的胆道操作などによる急性胆管炎も増加傾向にある1).
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