臨床検査64巻4号

2020年04月発行

増刊号 これで万全！緊急を要するエコー所見 1章　腹部エコー

急性膵炎（グルーブ膵炎含む）

著者： 川端聡¹

所属機関： ¹住友病院診療技術部超音波技術科

ページ範囲：P.362 - P.365

疾患の概要

疫学

　厚生労働省の2011年の調査によると，わが国では急性膵炎は年間63,080人が発症し，近年増加傾向である．男女比は1.9：1で，男性は60歳代，女性では70歳代が最も多い^1）．急性膵炎全体に占める重症膵炎の割合は20％前後で推移しており，重症例は50歳代の男性に多い傾向がみられた^1）．アルコールの多飲や胆石の保有，肥満などが危険因子となる．

参考文献

1）急性膵炎診療ガイドライン2015改定出版委員会（編）：急性膵炎診療ガイドライン2015　第4版，金原出版，2015

2）小宮山恭弘，脇英彦（監），生理検査パニック値（像）の運用指針ワーキンググループ（編）：腹部系（上腹部超音波　消化管超音波　泌尿器超音波　婦人科超音波）．一発解決　パニック値（像）と遭遇したときの対処法，じほう，pp76-108，2018

3）日本消化器がん検診学会超音波検診委員会ガイドライン作成ワーキンググループ，日本超音波医学会用語・診断基準委員会腹部超音波がん検診のカテゴリーに関する小委員会，日本人間ドック学会画像検査判定ガイドライン作成委員会腹部超音波部門：腹部超音波検診判定マニュアル．日消がん検診誌　52：471-493，2014

4）下瀬川徹：厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業　難治性膵疾患に関する調査研究　平成20年度総括・分担研究報告書　2009年3月，p16，2009（http://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/kenkyuhan_pdf/houkoku1_1.pdf）（最終アクセス：2020年1月15日）