icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻4号

2020年04月発行

文献概要

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 1章 腹部エコー

自己免疫性膵炎

著者: 木下博之1

所属機関: 1紀南病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.366 - P.370

文献購入ページに移動
疾患の概要

 自己免疫性膵炎はびまん性膵腫大と膵管狭窄像を特徴とし,時に膵腫瘤を形成する特有の膵炎であり,1995年にわが国より発信された疾患概念である1).血清免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)G4の上昇とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤を認め,膵外病変を伴うことも多く,IgG4関連疾患の膵病変と考えられている2).自己免疫性膵炎国際コンセンサス診断基準では,IgG4の関与する1型と好中球病変を中心とする2型に分類されるが1),わが国では自己免疫性膵炎は主として1型であり2),ここでは1型自己免疫性膵炎について示す.

参考文献

1)正宗淳,菊田和宏,濱田晋,他:自己免疫性膵炎の疫学—全国調査の歴史を振り返りながら.肝胆膵 78:165-170,2019
2)日本膵臓学会,厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班:自己免疫性膵炎診療ガイドライン2013.膵臓 28:717-783,2013
3)植木敏晴,松村圭一郎,丸尾達,他:本邦における2型自己免疫性膵炎(type 2 AIP)の実態について.膵臓 30:116-122,2015
4)日本膵臓学会・厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業)「IgG4関連疾患の診断基準並びに治療指針の確立を目指す研究」班,自己免疫性膵炎臨床診断基準2011改訂合同委員会,日本膵臓学会膵炎調査研究委員会:報告 自己免疫性膵炎臨床診断基準2018(自己免疫性膵炎臨床診断基準2011改訂版).膵臓 33:902-913,2018
5)木敏晴,丸尾達,永山林太郎,他:わが国における2型AIPは本当に少ないのか—IBD合併例やIgG4陰性例を含めて.肝胆膵 78:171-178,2019
6)塩川雅広,児玉裕三:自己免疫性膵炎の新たな自己抗原—ラミニン511の同定とその意義.肝胆膵 78:179-182,2019
7)早川宏,高野伸一,深澤光晴,他:再燃の予測因子.肝胆膵 78:277-284,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?