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文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻4号

2020年04月発行

文献概要

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 1章 腹部エコー

十二指腸潰瘍

著者: 竹之内陽子1 畠二郎1 谷口真由美1

所属機関: 1川崎医科大学附属病院中央検査部

ページ範囲:P.372 - P.374

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疾患の概要

病態・原因

 潰瘍とは消化管粘膜の限局性組織欠損であり,少なくとも粘膜筋板を越える深さの欠損をいう.潰瘍は病理学的に組織欠損の深さによって,Ul-Ⅰ(粘膜層のみの組織欠損,びらん),Ul-Ⅱ(粘膜筋板を越え,粘膜下層に達する組織欠損),Ul-Ⅲ(組織欠損が固有筋層にまで達するもの),Ul-Ⅳ(組織欠損が固有筋層を越え,漿膜に達したもの)までの4段階に分類される.

 若年期のヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:H. pylori)菌感染や非ステロイド性消炎鎮痛剤(nonsteroidal antiinflammatory drug:NSAIDs)の服用が原因で,粘膜による防御の働きと胃酸による攻撃とのバランスが崩れ,胃酸による粘膜障害をきたし発症する.したがって胃に近い十二指腸球部が好発部位である.

参考文献

1)近藤崇之,岡林剛史,長谷川博俊,他:消化管穿孔の診断および部位同定のために有用なCT所見の検討.Jpn J Acute Care Surg 5:50-54,2015
●春間賢(編),畠二郎,眞部紀明,楠裕明,他(著):消化管超音波診断ビジュアルテキスト,医学書院,2004
●畠二郎,長谷川雄一(編):月刊Medical Technology別冊 超音波エキスパート14 消化管エコーUPDATE スキルアップをめざして,医歯薬出版,2013
●湯浅肇,井出満:消化管エコーの診かた・考えかた 第2版,医学書院,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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