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文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻4号

2020年04月発行

文献概要

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 1章 腹部エコー

消化管穿孔

著者: 廣辻和子1

所属機関: 1医真会八尾総合病院臨床検査科

ページ範囲:P.375 - P.379

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疾患の概要

 消化管穿孔とは,さまざまな原因で消化管の壁に孔が開き,内容物(胃液や胆汁・腸液・大腸内の便など)が腹腔内に漏出し,汎発性腹膜炎を引き起こす,手術適応を考慮すべき急性腹症である.穿孔とは壁を貫いてその外の空間に内容物が漏れ出ること,穿通とは壁を貫いてその壁の外が空間ではなく何らかの組織がある状態を指す.

 穿孔部位により,上部消化管と下部消化管に分けられる.上部消化管の原因としては胃・十二指腸潰瘍が多く,その他に胃癌・特発性食道破裂・腹部外傷・誤嚥・医原性(内視鏡検査・治療)などがある.十二指腸は球部前壁では穿孔が多いが,後壁では穿通が多い.

参考文献

1)畠二郎,眞部紀明,楠裕明,他(著),春間賢(編):消化管超音波診断ビジュアルテキスト,医学書院,2004
2)近藤崇之,岡林剛史,長谷川博俊,他:消化管穿孔の診断および部位同定のために有用なCT所見の検討.Jpn J Acute Care Surg 5:50-54,2015
●湯浅肇,井出満:消化管エコーの診かた・考えかた,医学書院,2004
●中野正和,平石秀幸:消化管穿孔,日本医事新報社,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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