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増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 2章 心エコー
急性心筋梗塞(急性冠症候群)とその合併症
著者: 加賀早苗1
所属機関: 1北海道大学大学院保健科学研究院
ページ範囲:P.416 - P.421
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急性心筋梗塞の成因は,冠動脈プラークの破綻とそれに続く血栓形成による冠動脈内腔の閉塞であり,共通の機序によって生じる不安定狭心症を含めて,急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)という一連の病態として扱われる1).急性心筋梗塞はさらに,貫壁性の虚血が生じていることを示唆する心電図上のST上昇を伴うST上昇型心筋梗塞(ST elevation myocardial infarction:STEMI)と,それを伴わない非ST上昇型心筋梗塞(non ST elevation myocardial infarction:NSTEMI)に分類される.
急性心筋梗塞と不安定狭心症は心筋壊死の有無(心筋バイオマーカーの上昇の有無)によって区別される.ACSの自覚症状は前胸部痛や前胸部圧迫感であるが,非典型的な症状や軽微な症状が重篤なACSの症状であることもまれではない.症状が20分以上持続する場合は,急性心筋梗塞の可能性が高い1).発症後,再灌流療法までの時間が遅れるほど心筋障害が進行して死亡率が上昇するため,早期診断が極めて重要である.
急性心筋梗塞の成因は,冠動脈プラークの破綻とそれに続く血栓形成による冠動脈内腔の閉塞であり,共通の機序によって生じる不安定狭心症を含めて,急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)という一連の病態として扱われる1).急性心筋梗塞はさらに,貫壁性の虚血が生じていることを示唆する心電図上のST上昇を伴うST上昇型心筋梗塞(ST elevation myocardial infarction:STEMI)と,それを伴わない非ST上昇型心筋梗塞(non ST elevation myocardial infarction:NSTEMI)に分類される.
急性心筋梗塞と不安定狭心症は心筋壊死の有無(心筋バイオマーカーの上昇の有無)によって区別される.ACSの自覚症状は前胸部痛や前胸部圧迫感であるが,非典型的な症状や軽微な症状が重篤なACSの症状であることもまれではない.症状が20分以上持続する場合は,急性心筋梗塞の可能性が高い1).発症後,再灌流療法までの時間が遅れるほど心筋障害が進行して死亡率が上昇するため,早期診断が極めて重要である.
参考文献
1)日本循環器学会,日本冠疾患学会,日本胸部外科学会,他:2017-2018年度活動 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版),2018(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2018_kimura.pdf)(最終アクセス:2020年1月21日)
2)Oh JK, Kane GC, Seward JB, et al:Coronary Artery Disease and Acute Myocardial Infarction. In: The Echo Manual, 3rd ed, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia,pp155-174,2007
3)Solomon SD, Wu J, Gillam L:Echocardiography. Braunwald's Heart Disease, 10th ed, Elsevier Saunders, Philadelphia,pp179-260,2015
4)Michael YC, Tanya HT, Sunil VM:Echocardiography in Acute Myocardial Infarction. ASE's Comprehensive Echocardiography, 2nd ed (Lang RM, Goldstein SA, Kronzon I, et al eds), Elsevier, Philadelphia,pp215-222,2016
●岩野弘幸,山田聡:局所壁運動をみる.心エコーパーフェクトガイド—初心者からエキスパートまで(循環器臨床サピア)(筒井裕之,山田聡編),中山書店,pp119-124,2009
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