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増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 2章 心エコー
急性肺塞栓症
著者: 飯田典子1
所属機関: 1筑波大学附属病院検査部
ページ範囲:P.426 - P.431
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急性肺塞栓症(pulmonary embolism:PE),急性血栓肺塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)はしばしば致命的な疾患で,臨床的に診断が難しい疾患の1つであるといわれている.典型的な症状として呼吸困難,チアノーゼなどが知られているが,急激なショックから突然死に至ることもある.心エコーは心電図や造影CTとともに,速やかに診断・治療を進める手掛かりを与えてくれる重要な検査である.PEは急性と慢性に大きく分けられ,2018年に日本循環器学会より「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン」が示されている1).
最近ではPTEと深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)を併せて静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)と総称する.急性PEは,主に下肢あるいは骨盤内のDVTが塞栓源となり,起立,歩行,排便などの際に下肢の筋肉が収縮し,筋肉ポンプの作用により静脈還流量が増加することで,血栓が遊離して肺動脈(pulmonary artery:PA)を閉塞することが推測される.
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