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文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻4号

2020年04月発行

文献概要

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 2章 心エコー

たこつぼ型心筋症

著者: 谷口京子1

所属機関: 1近畿大学病院中央臨床検査部生理機能検査室

ページ範囲:P.432 - P.434

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疾患の概要

 たこつぼ型心筋症の誘因は心身ストレスといわれている.閉経後の中高年女性に好発し,左室造影検査で壁運動異常所見が特徴的なたこつぼの形に見えることから命名されている.たこつぼ型心筋症は,症状や病態が急性冠症候群に類似しており,なかには鑑別が困難な場合もある.主訴は胸痛が多く,呼吸困難や動悸などを認める場合がある.また,本疾患は夏に多く秋に少ない傾向があり,1日のうちでは朝の発症が多いといわれている.

 日本循環器学会による診断基準1)では,心尖部のballooningを呈する原因不明の疾患で,左室は“たこつぼ”に類似する形態を呈すると定義されている.除外基準にはA.冠動脈の有意狭窄病変の存在や冠攣縮,B.脳血管疾患,C.褐色細胞腫,D.心筋炎が挙げられており,脳血管疾患や褐色細胞腫などよる心筋障害は“たこつぼ様心筋障害”として特発例と区別されている1)

参考文献

1)Kawai S, Kitabatake A, Tomoike H:Guidelines for diagnosis of takotsubo (ampulla) cardiomyopathy. Circ J 71:990-992,2007
2)Kosuge M, Ebina T, Hibi K, et al:Simple and accurate electrocardiographic criteria to differentiate takotsubo cardiomyopathy from anterior acute myocardial infarction. J Am Coll Cardiol 55:2514-2516,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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