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文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻4号

2020年04月発行

文献概要

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 4章 婦人科エコー

Fitz-Hugh-Curtis症候群(FHCS)

著者: 金子南紀子1 藤崎純1 渡邉学2

所属機関: 1東邦大学医療センター大橋病院臨床生理機能検査部 2東邦大学医療センター大橋病院消化器内科

ページ範囲:P.466 - P.469

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疾患の概要

疫学

 1930年代にCurtisが淋菌性骨盤内感染症患者の開腹手術時に肝表面と腹壁間の癒着の存在を示し,その後Fitz-Hughが右季肋部の急性淋菌性腹膜炎を報告したことから,このFitz-Hugh-Curtis症候群(Fitz-Hugh-Curtis syndrome:FHCS)が提唱されることとなった.

 現在,FHCSの主な起炎菌はクラミジアとされているが,淋菌が原因となる場合があることも知られている.わが国において性器クラミジア感染症は性感染症のなかで最も多く,男女ともに多数の保菌者の存在が指摘されている.FHCSは今後さらに増加する可能性が高く,エコー検査(ultrasonography:US)時に遭遇する機会も増えると考えられる.

参考文献

●村尾寛,三浦耕子,大畑尚子,他:Fitz-Hugh-Curtis症候群の臨床診断126例の検討.日産婦会誌 54:1681-1685,2002
●島田長人:Fitz-Hugh-Curtis症候群の病態.感染症内科 1:383-390,2013
●坂谷彰彦,今村綱男,田村哲男,他:造影CTでの肝被膜濃染像が診断に有用であったFitz-Hugh-Curtis症候群の1例.日腹部救急医会誌 33:1023-1026,2013
●日本超音波検査学会(監),関根智紀,南里和秀(編):日超検 腹部超音波テキスト 第2版,医歯薬出版,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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