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増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 4章 婦人科エコー
Fitz-Hugh-Curtis症候群(FHCS)
著者: 金子南紀子1 藤崎純1 渡邉学2
所属機関: 1東邦大学医療センター大橋病院臨床生理機能検査部 2東邦大学医療センター大橋病院消化器内科
ページ範囲:P.466 - P.469
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1930年代にCurtisが淋菌性骨盤内感染症患者の開腹手術時に肝表面と腹壁間の癒着の存在を示し,その後Fitz-Hughが右季肋部の急性淋菌性腹膜炎を報告したことから,このFitz-Hugh-Curtis症候群(Fitz-Hugh-Curtis syndrome:FHCS)が提唱されることとなった.
現在,FHCSの主な起炎菌はクラミジアとされているが,淋菌が原因となる場合があることも知られている.わが国において性器クラミジア感染症は性感染症のなかで最も多く,男女ともに多数の保菌者の存在が指摘されている.FHCSは今後さらに増加する可能性が高く,エコー検査(ultrasonography:US)時に遭遇する機会も増えると考えられる.
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