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増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 4章 婦人科エコー
異所性妊娠(妊娠)
著者: 宇治橋善勝1 棟方伸一1 狩野有作12
所属機関: 1北里大学病院臨床検査部 2北里大学医学部臨床検査診断学
ページ範囲:P.470 - P.473
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異所性妊娠とは,受精卵が正所である子宮内膜以外の部位に着床することと定義され,全妊娠中の1〜2%にみられる.異所性妊娠の95%は卵管妊娠であり,そのうち70%が膨大部で発生している.その他の着床部位には,卵巣,子宮頸管,腹膜,大網,帝王切開瘢痕部妊娠などがあるが,いずれもまれである.
異所性妊娠のリスクは卵管病変によって上昇するが,特にリスクを上昇させる要因としては,卵管手術,異所性妊娠,骨盤内感染症,生殖補助医療,喫煙などの既往歴が挙げられる.通常,子宮内避妊器具を装着している場合は妊娠が起こる可能性は低いが,妊娠した場合の約5%で異所性妊娠が生じる.また,生殖補助医療による妊娠では,異所性妊娠の発生率が2〜4%とされており,自然妊娠に比べて高率になる.
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