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増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 5章 血管エコー
動脈穿刺部出血
著者: 石田啓介1
所属機関: 1仙台厚生病院臨床検査センター
ページ範囲:P.490 - P.493
文献購入ページに移動カテーテル治療は,バイパス術とともに血流改善に有効な血行再建術の1つである.冠動脈や下肢のみならず全身の血管に適応が拡大しており,近年は心臓の弁膜症においても治療が行われるようになった.診断,治療において動脈穿刺は必要不可欠であるが合併症のリスクを伴う.合併症を疑う主訴としては動脈穿刺部出血や腫脹,疼痛,止血困難などで,代表的な合併症としては,医原性仮性動脈瘤,医原性動静脈瘻,穿刺部血腫,動脈閉塞,感染症などが挙げられる.動脈の穿刺部位はさまざまで,カテーテルによる医原性仮性動脈瘤の発生頻度は穿刺部位により異なる.上腕動脈で0.046%,大腿動脈で1〜8%,橈骨動脈で0.03%という報告もある1).医原性動静脈瘻の発生頻度はさらに低く,大腿部で0.003〜0.86%,上肢においては数例の報告があるのみである1).
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