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文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻4号

2020年04月発行

文献概要

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 5章 血管エコー

動脈穿刺部出血

著者: 石田啓介1

所属機関: 1仙台厚生病院臨床検査センター

ページ範囲:P.490 - P.493

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疾患の概要

 カテーテル治療は,バイパス術とともに血流改善に有効な血行再建術の1つである.冠動脈や下肢のみならず全身の血管に適応が拡大しており,近年は心臓の弁膜症においても治療が行われるようになった.診断,治療において動脈穿刺は必要不可欠であるが合併症のリスクを伴う.合併症を疑う主訴としては動脈穿刺部出血や腫脹,疼痛,止血困難などで,代表的な合併症としては,医原性仮性動脈瘤,医原性動静脈瘻,穿刺部血腫,動脈閉塞,感染症などが挙げられる.動脈の穿刺部位はさまざまで,カテーテルによる医原性仮性動脈瘤の発生頻度は穿刺部位により異なる.上腕動脈で0.046%,大腿動脈で1〜8%,橈骨動脈で0.03%という報告もある1).医原性動静脈瘻の発生頻度はさらに低く,大腿部で0.003〜0.86%,上肢においては数例の報告があるのみである1)

参考文献

1)中村智一,月岡祐介,中村嘉則,他:心臓カテーテル後に発症した医原性橈骨動脈瘤・動静脈瘻の1例.脈管学 55:163-167,2015
2)吉田茉莉子,入江健夫,稲川天志,他:医原性仮性動脈瘤に対する超音波ガイド下低用量トロンビン注入療法.超音波医学 38:13-17,2011
3)西裕太郎:止血合併症と止血デバイス.PCI・EVTスペシャルハンドブック(南都伸介,中村正人編),南江堂,pp239-243,2010
4)三木俊:血管エコーによる穿刺部合併症の鑑別法.検と技 44:390-397,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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