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増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見 6章 小児エコー
肥厚性幽門狭窄症
著者: 岡村隆徳1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院超音波センター
ページ範囲:P.496 - P.499
文献購入ページに移動肥厚性幽門狭窄症は胃の幽門輪状筋の攣縮と幽門輪状筋の過形成による肥厚が原因となって幽門部に狭窄を生じ,胃幽門部における通過障害を起こす疾患である.発症原因は不明であるが,遺伝的要因に加え,感染や人工乳といった環境的要因が組み合わさって発症すると考えられている.生下時に認められることはなく,生後2週〜2カ月の乳児に好発する.男女比は4:1で男児に多い1,2).主症状は嘔吐であり,発症早期には嘔吐回数は多くないが,数日で頻回の噴水状嘔吐を呈するようになる.狭窄部が幽門部であるため,吐物に胆汁が混ざっていない非胆汁性嘔吐であることが特徴的である.触診では心窩部のやや右側に肥厚した幽門部をオリーブ様腫瘤として触知できることが多い.重症例では脱水症および低クロール性代謝性アルカローシスへ至り,活気不良や体重減少がみられるようになる.
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