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今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ
蛋白分画検査からIgG4関連疾患を疑う—臨床検査部が主導してのIgG4高値の検出
著者: 松村充子1 松尾収二1
所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床検査部
ページ範囲:P.907 - P.913
文献購入ページに移動天理よろづ相談所病院では,①臨床検査部の判断で蛋白分画を実施し,②蛋白分画検査から免疫グロブリン(Ig)G4高値を読み取り,③この結果をもとに主治医に報告している.
①もともと,M蛋白の存在を主治医に知らせるために,血清グロブリン値が4g/dL以上の場合は,検査室の判断で蛋白電気泳動を行っていたので,その流れをそのまま活用した.
②IgG4は等電点が低く陽極側に易動するため,その易動度はfast-γ位となる.fast-γ位にバンドはあるが,これが不明瞭な場合は,5倍希釈と原倍のIgGを測定し,その差がおよそ200mg/dL以上の場合はIgG4高値と判断する.これはIgG4高値の場合,IgGがポストゾーンのために偽低値になることを活用したものである.
③IgG4濃度がおおむね450mg/dL以上であれば蛋白分画検査で検出できる.過去約2年の間に12例の報告を行った結果,主治医はほぼ全例,報告に従って診療を行っていた.
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