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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻1号

2021年01月発行

文献概要

今月の特集 対比して学ぶエコー所見で鑑別に悩む疾患

腎:腎細胞癌と腎血管筋脂肪腫

著者: 北原麻紀1 尾上篤志2

所属機関: 1桃仁会病院医療技術部超音波検査室 2高橋計行クリニック超音波室

ページ範囲:P.30 - P.35

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はじめに

 腎の腫瘤性病変は良性と悪性とに分けられ,また,囊胞性と充実性がある.良性で囊胞性の場合で最も高率に発生しているのは単純性腎囊胞であり,充実性の場合は腎血管筋脂肪腫(angiomyolipoma)やオンコサイトーマである.一方,悪性で囊胞性の場合は囊胞性腎癌が,充実性の場合は腎細胞癌(renal cell carcinoma)や腎盂癌が考えられる.これらの腎臓疾患は偶然・無症状で発見されることも多くなっており,小さな腫瘍を診断しなければならない場合も増加している.特に臨床の現場において苦慮するのが腎血管筋脂肪腫とオンコサイトーマの鑑別診断といえる.

 本稿では上記の腫瘤性病変の特徴と診断,および超音波検査での鑑別点について詳説する.

参考文献

1)日本泌尿器科学会,日本病理学会,日本医学放射線学会(編):泌尿器科・病理・放射線科 腎癌取扱い規約 第4版,金原出版,2011
2)尾上篤志,秋山隆弘,髙橋計行,他:透析腎の超音波診断.超音波医 45:261-269,2018
3)戸崎光宏,鈴木正章:腎腫瘍.病理と臨 20:108-115,2002
4)尾上篤志,秋山隆弘:腎癌のスクリーニングから鑑別診断まで.超音波医 38:421-431,2011
5)日本泌尿器科学会,日本結節性硬化症学会(編):結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫診療ガイドライン 2016年版,金原出版,2016
6)日本超音波医学会用語・診断基準委員会(編):腎細胞癌と他の腎腫瘤性病変の鑑別(案).超音波医 39:485-489,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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