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文献概要
今月の特集 対比して学ぶエコー所見で鑑別に悩む疾患
胃:胃癌と急性胃粘膜病変(AGML)
著者: 倉重佳子1
所属機関: 1社会医療法人天神会古賀病院21臨床検査課
ページ範囲:P.36 - P.40
文献購入ページに移動はじめに
胃壁肥厚をきたす疾患には,胃癌をはじめとする腫瘍性疾患や急性胃粘膜病変(acute gastric mucosal lesion:AGML),胃潰瘍などの炎症性疾患などがある.時に別の疾患であっても類似した超音波所見を呈し,診断に苦慮する場合がある.病変の部位を正確に把握したうえで,肥厚の程度,層構造の状態,エコーレベル,可変性や伸展性,壁の変形,内腔の状態,蠕動の状態,壁外の変化,血流などのさまざまな所見を詳細に画像解析することで鑑別診断が可能となる1).また,臨床症状なども考慮し,総合的に考えていくことでより診断精度が高まる.
本稿では,胃癌とAGMLの類似した超音波所見を呈する症例を提示し,Bモード断層像を中心に鑑別すべきポイントについて述べる.
胃壁肥厚をきたす疾患には,胃癌をはじめとする腫瘍性疾患や急性胃粘膜病変(acute gastric mucosal lesion:AGML),胃潰瘍などの炎症性疾患などがある.時に別の疾患であっても類似した超音波所見を呈し,診断に苦慮する場合がある.病変の部位を正確に把握したうえで,肥厚の程度,層構造の状態,エコーレベル,可変性や伸展性,壁の変形,内腔の状態,蠕動の状態,壁外の変化,血流などのさまざまな所見を詳細に画像解析することで鑑別診断が可能となる1).また,臨床症状なども考慮し,総合的に考えていくことでより診断精度が高まる.
本稿では,胃癌とAGMLの類似した超音波所見を呈する症例を提示し,Bモード断層像を中心に鑑別すべきポイントについて述べる.
参考文献
1)畠二郎:体外式超音波による消化管疾患へのアプローチ.超音波医 34:131-139,2007
2)日本胃癌学会(編):第1部 規約と説明 Ⅳ 肉眼型分類.胃癌取扱い規約 第15版,金原出版,pp10-11,2017
3)並木正義:急性胃粘膜病変(AGML)とその周辺 序論 概念の整理と診断基準.最新医 44:2009-2010,1989
1)畠二郎,長谷川雄一(編):月刊Medical Technology別冊 超音波エキスパート14 消化管エコーUPDATE スキルアップをめざして,医歯薬出版,2013
2)長谷川雄一:コンパクト超音波αシリーズ 消化管アトラス,ベクトル・コア,2008
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