文献詳細
文献概要
今月の特集 対比して学ぶエコー所見で鑑別に悩む疾患
子宮:子宮筋腫と子宮体癌(内膜癌)
著者: 丸山憲一1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
ページ範囲:P.42 - P.47
文献購入ページに移動はじめに
一般的な子宮体癌(内膜癌)の診療の流れでは,産婦人科医が外来において施行する経腟エコーが中心となるが,経腹エコーでもある程度,良悪性の鑑別が可能である.経腹エコーによる検査では充満した膀胱を音響窓(アコースティックウインド)として行うのが理想とはされるが,膀胱が決して充満していない状態でも子宮が腫大していれば観察可能であることが多いため,積極的に下腹部の検査をすべきと思われる.
本稿では,経腹エコーにおける子宮筋腫と子宮体癌(内膜癌)の鑑別と注意点について解説する.
一般的な子宮体癌(内膜癌)の診療の流れでは,産婦人科医が外来において施行する経腟エコーが中心となるが,経腹エコーでもある程度,良悪性の鑑別が可能である.経腹エコーによる検査では充満した膀胱を音響窓(アコースティックウインド)として行うのが理想とはされるが,膀胱が決して充満していない状態でも子宮が腫大していれば観察可能であることが多いため,積極的に下腹部の検査をすべきと思われる.
本稿では,経腹エコーにおける子宮筋腫と子宮体癌(内膜癌)の鑑別と注意点について解説する.
参考文献
1)松岡亜希,杉野法広:感染症・炎症性疾患 子宮留膿症.日臨 67(増刊5):345-348,2009
2)杉山徹:子宮肉腫 診療上の問題点.日産婦誌 59:N277-N282,2007
3)Bokhman JV:Two pathogenetic types of endometrial carcinoma. Gynecol Oncol 15:10-17,1983
4)日本産科婦人科学会,日本病理学会,日本医学放射線学会,他(編):子宮体癌取扱い規約 第3版,金原出版,2012
5)大平哲史,伊東和子,小西郁生:子宮筋腫の診断 子宮肉腫との鑑別.HORM FRONT GYNECOL 10:149-156,2003
6)Minagawa Y, Sato S, Ito M, et al:Transvaginal ultrasonography and endometrial cytology as a diagnostic schema for endometrial cancer. Gynecol Obstet Invest 59:149-154,2005
7)Tabor A, Watt HC, Wald NJ:Endometrial thickness as a test for endometrial cancer in women with postmenopausal vaginal bleeding. Obstet Gynecol 99:663-670,2002
8)Gupta JK, Chien PF, Voit D, et al:Ultrasonographic endometrial thickness for diagnosing endometrial pathology in women with postmenopausal bleeding: a meta-analysis. Acta Obstet Gynecol Scand 81:799-816,2002
9)Karlsson B, Granberg S, Hellberg P, et al:Comparative study of transvaginal sonography and hysteroscopy for the detection of pathologic endometrial lesions in women with postmenopausal bleeding. J Ultrasound Med 13:757-762,1994
10)Kurjak A, Kupesic S, Shalan H, et al:Uterine sarcoma: a report of 10 cases studied by transvaginal color and pulsed Doppler sonography. Gynecol Oncol 59:342-346,1995
11)大平哲史,伊東和子,小西郁生,他:子宮筋腫,子宮腺筋症,子宮肉腫.産と婦 69:1436-1442,2002
掲載誌情報