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今月の特集 移植医療と臨床検査
肝移植と臨床検査—生体肝移植の周術期に施行される臨床検査と,われわれの生体肝移植で過去に問題になった臨床検査値
著者: 河地茂行1 千葉斉一1 富田晃一1 佐野達1
所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科
ページ範囲:P.1262 - P.1268
文献購入ページに移動●わが国の肝移植は数のうえでは生体肝移植が主流であるが,脳死肝移植も確実に増加しており,成績は同等である.
●抗体関連拒絶反応の予防・克服は肝移植医療の重要な課題である.近年,抗ドナー抗体(DSA)を検出するさまざまな検査が肝移植医療に導入されている.
●ドナーの移植前検査は検査値が正常であることを確認する過程である.検査値の異常をきっかけに,臨床検査の精度に不備が発見された症例を経験した.
●レシピエントのβ-D-グルカン(BDG)値の異常のため生体肝移植を延期せざるを得なかった症例を経験した.検査値における偽陽性の判断の難しさを痛感した.
●肝移植後の臨床検査は合併症を早期発見・治療するために施行されている.それぞれの検査の意義をきちんと理解する必要がある.
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