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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻12号

2021年12月発行

文献概要

今月の特集 移植医療と臨床検査

肺移植と臨床検査

著者: 此枝千尋1 中島淳1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院呼吸器外科

ページ範囲:P.1276 - P.1281

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Point

●肺移植患者においては,移植適応検討から周術期管理,術後長期に及ぶ管理の全てにおいて血液・生化学検査,微生物検査,生理検査など,さまざまな臨床検査が必要である.

●肺移植後の長期予後は感染,拒絶,悪性腫瘍などによって決して良好ではない.感染や拒絶の早期発見・治療介入には呼吸機能検査,血液・生化学検査などが重要である.

●移植後患者は免疫抑制状態にある.日和見感染症発症の可能性を常に念頭に置いて,喀痰培養検査やβ-D-グルカン,サイトメガロウイルス(CMV)アンチゲネミア測定などを定期的に行う.

参考文献

1)日本肺および心肺移植研究会:レジストリーレポート(http://www2.idac.tohoku.ac.jp/dep/surg/shinpai/pg185.html)(最終アクセス:2021年8月2日)
2)Kurihara C, Fernandez R, Safaeinili N, et al:Long-Term Impact of Cytomegalovirus Serologic Status on Lung Transplantation in the United States. Ann Thorac Surg 107:1046-1052,2019
3)陳豊史,齋藤正男,合地史明,他:肺移植におけるDSA(donor-specific antibody)の意義.Organ Biol 25:176-179,2018
4)此枝千尋:肺および心肺移植 術後管理および既往患者の管理編—肺移植後の管理.Intensivist 12:539-544,2020
5)Sato M:Bronchiolitis obliterans syndrome and restrictive allograft syndrome after lung transplantation: why are there two distinct forms of chronic lung allograft dysfunction?. Ann Transl Med 8:418,2020
6)宮崎拓郎,三好新一郎,奥村明之進,他:本邦の肺移植後悪性腫瘍の現況.移植 50:37-44,2015
7)日本造血幹細胞移植学会ガイドライン委員会EBウイルス関連リンパ増殖症部会,平成30学会年度日本造血細胞移植学会ガイドライン委員会(編):造血細胞移植ガイドライン ウイルス感染症の予防と治療 EBウイルス関連リンパ増殖症,日本造血細胞移植学会,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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