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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻8号

2021年08月発行

文献概要

今月の特集1 電解質異常をきたす内分泌疾患

リン異常と内分泌疾患

著者: 引間雄介1 槙田紀子1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科

ページ範囲:P.822 - P.829

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Point

●血中のリン濃度は食物からの吸収,骨・細胞内への蓄積,腎臓からの排泄のバランスによって規定されている.そのなかでも腎臓でのリンの濾過と再吸収過程が特に重要な要素である.

●リンの調整は線維芽細胞増殖因子23(FGF23),副甲状腺ホルモン(PTH),ビタミンD作用が主要な役割を果たしている.これらの因子を調べることで病態の理解・疾患の鑑別が可能となる.

●低リン血症はFGF23・PTHの作用過剰による近位尿細管におけるリン再吸収阻害が病態の中心である.

●高リン血症は腎機能障害によるリンの排泄能低下が最も重要な原因である.通常の腎機能では高リン血症となることはまれである.

参考文献

1)竹内靖博:低リン血症と内分泌疾患.日内会誌 109:746-751,2020
2)槙田紀子:高リン血症と内分泌疾患 高リン血症を考える.日内会誌 109:752-759,2020
3)福本誠二:医学と医療の最前線 リン調節ホルモン,線維芽細胞増殖因子23(FGF23)の作用と作用異常.日内会誌 100:3649-3654,2011
4)竹内靖博:治療の進歩 骨代謝における副甲状腺ホルモンの役割と臨床応用.日内会誌 101:1007-1014,2012
5)岡崎亮:低リン血症・骨軟化症 ビタミンD欠乏症とビタミンD不足.日内会誌 96:742-747,2007
6)遠藤逸朗:低リン血症の鑑別診断.副甲状腺・骨代謝疾患診療マニュアル 改訂第2版(平田結喜諸監,竹内靖博,杉本利嗣,成瀬光栄編),診断と治療社,pp47-49,2019
7)日本内分泌学会(編):高リン血症.内分泌代謝科専門医研修ガイドブック,診断と治療社,pp112-113,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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