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文献概要
今月の特集2 血液凝固を阻害するもの
検体前処理のための抗凝固剤
著者: 徳永尚樹1
所属機関: 1社会医療法人川島会川島病院検査室
ページ範囲:P.160 - P.165
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●各種の採血管に含まれる抗凝固剤の種類と作用機序を理解し,目的とする検査に適した採血管に,推奨される順番で採血する.
●採血管に含まれる抗凝固剤の作用は,カルシウムイオン(Ca2+)キレート作用と凝固因子活性阻害の2種類である.
●凝固線溶検査や赤血球沈降速度(赤沈)検査の抗凝固剤として用いられるクエン酸ナトリウム(Na)は液状であるため,血液と抗凝固剤の比率が変わらないように規定の採血量を厳守する.
●各種の採血管に含まれる抗凝固剤の種類と作用機序を理解し,目的とする検査に適した採血管に,推奨される順番で採血する.
●採血管に含まれる抗凝固剤の作用は,カルシウムイオン(Ca2+)キレート作用と凝固因子活性阻害の2種類である.
●凝固線溶検査や赤血球沈降速度(赤沈)検査の抗凝固剤として用いられるクエン酸ナトリウム(Na)は液状であるため,血液と抗凝固剤の比率が変わらないように規定の採血量を厳守する.
参考文献
1)Goossens W, Van Duppen V, Verwilghen RL:K2- or K3-EDTA: the anticoagulant of choice in routine haematology?. Clin Lab Haematol 13:291-295,1991
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