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文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻7号

2022年07月発行

文献概要

今月の特集 臨床検査技師によるタスク・シフト/シェア 臨床検査技師に追加される業務の実際と注意点

直腸肛門機能検査

著者: 味村俊樹1 本間祐子1 前田耕太郎2

所属機関: 1自治医科大学消化器一般移植外科 2医療法人社団健育会湘南慶育病院

ページ範囲:P.853 - P.861

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Point

●直腸肛門機能検査として一般的に施行されるのは,肛門内圧検査,直腸バルーン感覚検査,直腸肛門反射検査であるが,それ以外に排出能力検査や直腸コンプライアンス検査もある.

●直腸肛門機能検査の目的は,便失禁の原因診断,肛門・直腸疾患における手術前後の肛門機能評価,Hirschsprung病の診断である.

●肛門内圧検査で測定・評価するのは,機能的肛門管長,最大静止圧,最大随意収縮圧増加値および実測値,不随意収縮圧(咳嗽反射圧),直腸肛門興奮反射,直腸肛門抑制反射である.

●直腸バルーン感覚検査で測定するのは初期感覚閾値,便意発現容量,最大耐容量である.その結果は直腸感覚能以外に直腸容量やコンプライアンス(柔軟性)にも影響される.

参考文献

1)日本大腸肛門病学会(編):便失禁診療ガイドライン2017年版,南江堂,2017
2)味村俊樹,本間祐子,堀江久永:便失禁.別冊日本臨床 領域別症候群シリーズNo.10 消化管症候群 第3版,日本臨牀社,pp413-419,2020
3)味村俊樹,本間祐子,堀江久永:慢性便秘症の機能検査.消化器・肝臓内科 5:163-173,2019
4)Carrington EV, Scott SM, Bharucha A, et al:Expert consensus document: Advances in the evaluation of anorectal function. Nat Rev Gastroenterol Hepatol 15:309-323,2018
5)味村俊樹,高津公子,福島陽子,他:肛門機能検査 Starlet ano.臨消内科 31:1761-1766,2016
6)味村俊樹:直腸肛門内圧検査の検査方法とその臨床的意義.神経・精神疾患による消化管障害(榊原隆次,福土審編),中外医学社,pp184-188,2019
7)味村俊樹:肛門失禁の治療戦略 便失禁の治療手順.Mod Physician 37:68-73,2017
8)味村俊樹:便失禁.消化器疾患最新の治療2019-2020(小池和彦,山本博徳,瀬戸泰之編),南江堂,pp92-97,2019
9)Scott SM, Carrington EV:The London Classification: Improving Characterization and Classification of Anorectal Function with Anorectal Manometry. Curr Gastroenterol Rep 22:55,2020
10)池田美和,味村俊樹,和田美智子,他:日本人における直腸肛門機能検査の基準範囲に関する検討.日本大腸肛門病会誌 67:554,2014(会議録)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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