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文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻8号

2022年08月発行

文献概要

今月の特集1 感染防御—免疫とワクチンの基本

ワクチン作製の基本と新技術

著者: 岡本成史12

所属機関: 1金沢大学新学術創成研究機構革新的統合バイオ研究コア先端的ヘルスケアサイエンスユニット 2金沢大学医薬保健研究域保健学系・医療科学領域・病態検査学講座

ページ範囲:P.911 - P.917

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Point

●ワクチン作製に必要な条件は,①有効な感染予防効果,②ワクチン接種後の副反応や健康被害を最小限に軽減する安全性,③安定的にかつ安価に接種できる経済性である.

●ワクチンは抗原の性状から,弱毒性生ワクチン,不活化ワクチン,トキソイドに分かれる.近年,科学的根拠による感染予防効果の誘導と安全性の担保によって不活化ワクチンの開発・作製が盛んになっている.

●不活化ワクチンの多くは病原体由来の蛋白抗原であるが,近年,その蛋白を遺伝子組換えで作製したコンポーネントワクチンや,蛋白抗原をコードする遺伝子そのものを使用した核酸ワクチンが存在する.

参考文献

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10)Tomori O, Kolawole MO:Ebola virus disease: current vaccine solutions. Curr Opin Immunol 71:27-33,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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