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文献詳細

雑誌文献

臨床検査66巻9号

2022年09月発行

文献概要

今月の特集2 免疫学的機序による血小板減少

ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)

著者: 西川真子1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1056 - P.1061

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Point

●ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)は,抗凝固薬であるヘパリンの重篤な副作用であり,血小板減少と動静脈血栓症を引き起こす.

●HITの臨床診断には4Tsスコアが頻用される.血小板数の経時的変化をみることが特に重要である.

●HIT抗体検査で使用される免疫学的測定法は感度が高く除外診断に有用であるが,特異度は低いため,臨床診断と併せて判断する必要がある.

●HITを疑った時点で,全てのヘパリン類を中止し,ヘパリン以外の抗凝固薬を投与して血栓症の治療と予防を行う.

参考文献

1)矢冨裕,家子正裕,伊藤隆史,他:ヘパリン起因性血小板減少症の診断・治療ガイドライン.日血栓止血会誌 32:737-782,2021
2)Nand S, Wong W, Yuen B, et al:Heparin-induced thrombocytopenia with thrombosis: incidence, analysis of risk factors, and clinical outcomes in 108 consecutive patients treated at a single institution. Am J Hematol 56:12-16,1997
3)和中敬子:HIT抗体検査.スタンダード検査血液学 第4版(日本検査血液学会編),医歯薬出版,pp202-205,2021
4)Warkentin TE, Sheppard JA:Testing for heparin-induced thrombocytopenia antibodies. Transfus Med Rev 20:259-272,2006
5)Warkentin TE, Arnold DM, Nazi I, et al:The platelet serotonin-release assay. Am J Hematol 90:564-572,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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