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文献詳細

雑誌文献

臨床検査67巻10号

2023年10月発行

文献概要

増大号 肝疾患 臨床検査でどう迫る? 序章 総論

—肝臓に起こる主な病気—慢性肝炎

著者: 平松直樹1

所属機関: 1大阪労災病院消化器内科

ページ範囲:P.1024 - P.1030

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慢性肝炎の疾患概念

 慢性肝炎は,肝臓の炎症が6カ月以上持続する疾患として定義されている.原因には,肝炎ウイルス(B型ならびにC型)の感染,自己免疫性,アルコール性,代謝性,薬物性などがある(表1).わが国では,かつてC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)感染が慢性肝炎の約7割,B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)感染が約1〜2割を占めていたが,近年,HCVは抗ウイルス療法によりほぼ100%排除され,C型肝炎の比率は減少し,非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)が増加傾向にある.

 一般に,肝炎が増悪しても自覚症状がないことが多く,検査をしなければ本人は気付かないことが多い.このため,厚生労働省では,保健所などにおける肝炎ウイルス検査の促進や医療費助成を含めた患者支援などを行い,積極的に肝炎対策を進めている.

参考文献

1)日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会(編):B型肝炎治療ガイドライン(第4版),2022(https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b.html)(最終アクセス:2023年6月26日)
2)日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会(編):C型肝炎治療ガイドライン(第8.2版),2023(https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c.html)(最終アクセス:2023年6月26日)
3)日本消化器病学会,日本肝臓学会(編):フローチャート.NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改訂第2版),南江堂,p.xviii,2020
4)Eduardo Vilar-Gomez E, et al:Weight Loss Through Lifestyle Modification Significantly Reduces Features of Nonalcoholic Steatohepatitis. Gastroenterology 190:367-378,2015
5)Sato K, et al:Vitamin E has a beneficial effect on nonalcoholic fatty liver disease: a meta-analysis of randomized controlled trials. Nutrition 31:923-930,2015
6)Vilar-Gomez E, et al:Vitamin E Improves Transplant-Free Survival and Hepatic Decompensation Among Patients With Nonalcoholic Steatohepatitis and Advanced Fibrosis. Hepatology 71:495-509,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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