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増大号 肝疾患 臨床検査でどう迫る? 序章 総論
—肝臓に起こる主な病気—肝硬変
著者: 淺岡良成1
所属機関: 1帝京大学医学部内科学講座
ページ範囲:P.1032 - P.1037
文献購入ページに移動はじめに
肝硬変は,慢性肝障害の終末像である.原因では,ウイルス性が最も多かったが,スクリーニングや治療の進歩により減少し,アルコール性や非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)によるものが増加している.
原因に対する治療により肝病態の増悪を防ぐとともに,患者管理に関しては,肝癌や静脈瘤の定期的なサーベイランスを行い,肝硬変の症状である腹水や肝性脳症に対する治療によりQOL(quality of life)を維持することが重要である.
そのためには,各種検査により炎症,線維化,発癌リスクなどを精確に把握し,状態に応じて治療,検査計画を立てる必要がある.
肝硬変は,慢性肝障害の終末像である.原因では,ウイルス性が最も多かったが,スクリーニングや治療の進歩により減少し,アルコール性や非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)によるものが増加している.
原因に対する治療により肝病態の増悪を防ぐとともに,患者管理に関しては,肝癌や静脈瘤の定期的なサーベイランスを行い,肝硬変の症状である腹水や肝性脳症に対する治療によりQOL(quality of life)を維持することが重要である.
そのためには,各種検査により炎症,線維化,発癌リスクなどを精確に把握し,状態に応じて治療,検査計画を立てる必要がある.
参考文献
1)日本肝臓学会(編):前がん状態としての肝硬変の動向.肝がん白書 令和4年度,日本肝臓学会,2022
2)Enomoto H, et al:Transition in the etiology of liver cirrhosis in Japan: a nationwide survey. J Gastroenterol 55:353-362,2020
3)Yoshiji H, et al:Evidence-based clinical practice guidelines for Liver Cirrhosis 2020. J Gastroenterol 56:593-619,2021
4)Caraceni P, et al:Long-term albumin administration in decompensated cirrhosis (ANSWER): an open-label randomised trial. Lancet 391:2417-2429,2018
5)日本消化器学会,他(編):肝硬変診療ガイドライン2020(改訂第3版),南江堂,2020
6)Villanueva C, et al:β blockers to prevent decompensation of cirrhosis in patients with clinically significant portal hypertension (PREDESCI): a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial. Lancet 393:1597-1608,2019
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