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増大号 肝疾患 臨床検査でどう迫る? 2章 急性の肝疾患
スコアリングによる自己免疫性肝炎の診断
著者: 大平弘正1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部消化器内科学講座
ページ範囲:P.1098 - P.1101
文献購入ページに移動はじめに
自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)は,何らかの機序によって自己の肝細胞に対する免疫学的寛容が破綻し,肝障害をきたす疾患である.通常は慢性肝炎として発見されることが多いが,急性肝炎ないしは重症肝炎,急性肝不全として発症する症例が存在する.急性肝炎として発症するAIHは,抗核抗体陽性や免疫グロブリンG(immunoglobulin G:IgG)高値といった典型的な所見を示さないこともあり,診断に苦慮することがある.
本稿では,AIHの病態やスコアリングを用いたAIHの診断について概説する.
自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)は,何らかの機序によって自己の肝細胞に対する免疫学的寛容が破綻し,肝障害をきたす疾患である.通常は慢性肝炎として発見されることが多いが,急性肝炎ないしは重症肝炎,急性肝不全として発症する症例が存在する.急性肝炎として発症するAIHは,抗核抗体陽性や免疫グロブリンG(immunoglobulin G:IgG)高値といった典型的な所見を示さないこともあり,診断に苦慮することがある.
本稿では,AIHの病態やスコアリングを用いたAIHの診断について概説する.
参考文献
1)厚生労働省「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班(編):自己免疫性肝炎(AIH)の診療ガイド,文光堂,p22,2011
2)de Boer YS, et al:Genome-wide association study identifies variants associated with autoimmune hepatitis type 1. Gastroenterology 147:443-452.e5,2014
3)Lin R, et al:Abnormal intestinal permeability and microbiota in patients with autoimmune hepatitis. Int J Clin Exp Pathol 8:5153-5160,2015
4)厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班(編):自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2021年),2022(https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001350/4/autoimmune_hepatitis.pdf)(最終アクセス:2023年1月24日)
5)Alvarez F, et al:International Autoimmune Hepatitis Group Report: review of criteria for diagnosis of autoimmune hepatitis. J Hepatol 31:929-938,1999
6)Joshita S, et al:Clinical features of autoimmune hepatitis with acute presentation: a Japanese nationwide survey. J Gastroenterol 53:1079-1088,2018
7)Galaski J, et al:Update of the simplified criteria for autoimmune hepatitis: Evaluation of the methodology for immunoserological testing. J Hepatol 74:312-320,2021
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