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文献詳細

雑誌文献

臨床検査67巻2号

2023年02月発行

文献概要

今月の!検査室への質問に答えます・2

静脈血で血液ガス分析検査をすることがあります.注意点について教えてください

著者: 松本剛12

所属機関: 1信州大学医学部病態解析診断学教室 2信州大学医学部附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.173 - P.175

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はじめに

 血液ガス分析検査というと,もともとは動脈血液ガス分析が一般的でした.血液ガス分析検査の目的の1つに,患者の呼吸状態(肺でのガス交換)を評価することがあるため,動脈血を測定することはその目的に合致していると考えられます.その一方,静脈血で血液ガス分析検査をすることが広く行われています.静脈血で血液ガス分析検査を行うことのメリットは,動脈穿刺を行わなくてよいこと(他の血液検査と合わせて1回の穿刺で済む,穿刺がしやすく看護師でも採血が可能,止血時間が短いなど)です.このことは実際の臨床現場では大きなメリットですが,その解釈ができないと意味がないことになります.

 本稿では,静脈血による血液ガス分析検査について,その解釈についての注意点をまとめます.

参考文献

1)日本臨床衛生検査技師会(監):JAMT技術教本シリーズ 臨床化学検査技術教本,丸善出版,pp77-80,2017
2)Byrne AL, Bennett M, Chatterji R, et al:Peripheral venous and arterial blood gas analysis in adults: are they comparable? A systematic review and meta-analysis. Respirology 19:168-175,2014
to screen for arterial hypercarbia in patients with chronic obstructive airways disease. J Emerg Med 28:377-379,2005
4)Bloom BM, Grundlingh J, Bestwick JP, et al:The role of venous blood gas in the emergency department: a systematic review and meta-analysis. Eur J Emerg Med 21:81-88,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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