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今月の特集2 臨床検査で患者を救え!—知っておいてほしい疾患
炎症反応上昇,高度溶血
著者: 藤川裕恭1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター医学教育学部門
ページ範囲:P.224 - P.228
文献購入ページに移動はじめに—症例の背景
敗血症は頻度の多い疾患群である.したがって,日頃の検査業務において,いわゆる炎症反応上昇〔白血球増多やC反応性蛋白(C-reactive protein:CRP)上昇など〕という結果を見掛ける機会は多いであろう.しかし,この日頃よく見掛ける炎症反応上昇のほかに,高度溶血という所見が加わってくると事態は急を要する.ここである疾患を想起し,普段はあまり行わないであろう,あの検査を追加で行うと,早期に診断に至ることができ,現場にいる臨床医や,患者およびその家族にとって,とても有益かもしれない.
敗血症は頻度の多い疾患群である.したがって,日頃の検査業務において,いわゆる炎症反応上昇〔白血球増多やC反応性蛋白(C-reactive protein:CRP)上昇など〕という結果を見掛ける機会は多いであろう.しかし,この日頃よく見掛ける炎症反応上昇のほかに,高度溶血という所見が加わってくると事態は急を要する.ここである疾患を想起し,普段はあまり行わないであろう,あの検査を追加で行うと,早期に診断に至ることができ,現場にいる臨床医や,患者およびその家族にとって,とても有益かもしれない.
参考文献
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2)山浦久:潜血反応が陽性でも,尿沈渣中に赤血球がないのはなぜでしょうか?.臨検 61:398-399,2017
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7)長江弘子:意思表明と選択への支援:非がん疾患のACP.内科 127:213-216,2021
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