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文献詳細

雑誌文献

臨床検査67巻8号

2023年08月発行

文献概要

医療紛争の事例から学ぶ・2

エルゴメーターでの事故事例

著者: 岡部真勝1 蒔田覚2

所属機関: 1岡部真勝法律事務所 2蒔田法律事務所

ページ範囲:P.898 - P.901

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はじめに

 臨床検査技師は,診療の補助として厚生労働省令で定める生理学的検査を業として行うことができる(臨床検査技師等に関する法律第20条の2第3号を参照).2021(令和3)年の法令改正によって,臨床検査技師が行える生理学的検査として,運動誘発電位検査,体性感覚誘発電位検査,持続皮下グルコース検査,直腸肛門機能検査などが追加された(臨床検査技師等に関する法律施行規則第1条の2参照).今後も法令改正により行える生理学的検査の種類は増えていくことが予想される.

 ところで,生理学的検査は“保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為”であり,身体への負荷を伴い,まれに致死的な合併症を誘発するリスクのある検査も含まれる.臨床検査技師としては,実施する生理学的検査のリスクについて正確に理解したうえで,安全に実施する責任がある.本連載の第2回では,心電図検査として実施される運動負荷試験の1つであるエルゴメーターに関する裁判例〔(原審)平成21年10月7日名古屋地方裁判所判決1)/(控訴審)平成23年8月12日名古屋高等裁判所判決2)〕を紹介する〔請求額約1億円/原審:請求棄却・控訴審:一部認容(約6,600万円)〕.

参考文献

1)名古屋地方裁判所平成21年10月7日判決
2)名古屋高等裁判所平成23年8月12日判決
3)日本臨床衛生検査技師会:現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について(https://www.jamt.or.jp/task-shifting/promotion/)(最終アクセス:2023年3月20日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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