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増大号 心電図判読のスタンダード 基本を極めて臨床で活かす! 2章 波形に注目—読み解くポイント
—QRSの異常—J波,ε波
著者: 篠原徹二1 髙橋尚彦1
所属機関: 1大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座
ページ範囲:P.1171 - P.1176
文献購入ページに移動12誘導心電図において,QRS波とST部分の境界点をJ点と呼ぶ(図1a).QRS波は角度が急で,ST部分は緩やかなので,角度が急なところから緩やかなところに変わる部分がJ点となる.そして,下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)および側壁誘導(Ⅰ,aVL,V4〜V6)で0.1mV以上のJ点上昇した波をJ波と呼ぶ.J波はその波形からノッチ型とスラー型に分類される(図1b,c).
従来,このようなQRS-ST接合部(J点)の上昇は早期再分極として認識され,若年男性に多くみられる正常亜型として扱われてきた.しかし,近年J波が心室細動(ventricular fibrillation:VF)発症と関連することが判明し,早期再分極症候群として注目を集めている1).
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