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文献詳細

雑誌文献

臨床検査68巻10号

2024年10月発行

文献概要

増大号 心電図判読のスタンダード 基本を極めて臨床で活かす! 2章 波形に注目—読み解くポイント

—QRSの異常—J波,ε波

著者: 篠原徹二1 髙橋尚彦1

所属機関: 1大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座

ページ範囲:P.1171 - P.1176

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J波とは

 12誘導心電図において,QRS波とST部分の境界点をJ点と呼ぶ(図1a).QRS波は角度が急で,ST部分は緩やかなので,角度が急なところから緩やかなところに変わる部分がJ点となる.そして,下壁誘導(Ⅱ,Ⅲ,aVF)および側壁誘導(Ⅰ,aVL,V4〜V6)で0.1mV以上のJ点上昇した波をJ波と呼ぶ.J波はその波形からノッチ型とスラー型に分類される(図1b,c).

 従来,このようなQRS-ST接合部(J点)の上昇は早期再分極として認識され,若年男性に多くみられる正常亜型として扱われてきた.しかし,近年J波が心室細動(ventricular fibrillation:VF)発症と関連することが判明し,早期再分極症候群として注目を集めている1)

参考文献

1)Haïssaguerre M, et al:Sudden cardiac arrest associated with early repolarization. N Engl J Med 358:2016-2023,2008
2)Haïssaguerre M, et al:Depolarization versus repolarization abnormality underlying inferolateral J-wave syndromes: New concepts in sudden cardiac death with apparently normal hearts. Heart Rhythm 16:781-790,2019
3)日本循環器学会,他:2016-2017年度活動 遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017年改訂版),2022(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/12/JCS2017_aonuma_h.pdf)(最終アクセス:2024年7月16日)
4)日本循環器学会,他:日本循環器学会/日本不整脈心電学会合同ガイドライン 2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン,2024(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Takase.pdf)(最終アクセス:2024年7月16日)
5)日本循環器学会,他:日本循環器学会/日本不整脈心電学会合同ガイドライン 不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版),2021(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2018/07/JCS2018_kurita_nogami.pdf)(最終アクセス:2024年7月16日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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