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増大号 心電図判読のスタンダード 基本を極めて臨床で活かす! 3章 脈の乱れに注目!不整脈を攻略する
徐脈性不整脈
著者: 矢野健介1
所属機関: 1東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野
ページ範囲:P.1238 - P.1243
文献購入ページに移動不整脈は正常洞調律以外の調律と定義される.正常洞調律は高位右心房に存在する洞結節で起きた電気的興奮(刺激)が,心房内を伝播して房室結節へ入り,His束から右脚と左脚へと伝導し,Purkinje線維を介して左右の心室に規則正しく伝えられる.不整脈はこの一連の電気的流れ(刺激伝導システム)になんらかの異常が生じていることを意味する.不整脈は徐脈性不整脈と頻脈性不整脈に大別される1).ここで扱う徐脈性不整脈は,定義として50/分以下とすることが多いが,臨床的に問題となるのは40/分以下の場合である.徐脈性不整脈の重症度は補充収縮が出現するかどうかにかかっており,最も重篤な場合は心静止に至る.
本稿では,徐脈性不整脈の分類,メカニズム,症状,原因,診断について概説し,心電図診断のポイントについて実際の心電図を呈示しながら解説する.最後に,徐脈性不整脈の治療についても簡単に触れる.
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