文献詳細
文献概要
増大号 心電図判読のスタンダード 基本を極めて臨床で活かす! 7章 教えて先生!
ベラパミル感受性心室頻拍ってどんな頻拍ですか?
著者: 北條林太郎1
所属機関: 1東京都立広尾病院循環器科
ページ範囲:P.1301 - P.1304
文献購入ページに移動ベラパミル感受性心室頻拍については1979年にZipesら1)によって,①心房ペーシングで誘発される,②右脚ブロック左軸偏位,③器質的心疾患がない,の3徴が報告され,また,1981年にBelhassenら2)によって④ベラパミルへの感受性が報告された.最も多くみられるものが左脚後枝領域に回路の出口を有するもので,右脚ブロック左軸偏位を呈する(図1a).この心電図では,心室波のなかに一定の周期でP波が記録され,房室解離を呈していることから心室頻拍と診断される.
ベラパミル感受性心室頻拍はかつて左脚後枝型(右脚ブロック,左軸偏位,頻度70〜80%)と左脚前枝型(右脚ブロック,右軸偏位,頻度10〜15%.図1b),上中隔型(頻度5%)に分類されていた.近年,左脚後枝および前枝型はそれぞれ中隔型と乳頭筋型に分類されている.さらに,左脚後枝型を逆に旋回するreverse型も報告されており,6型に分類されている3).上中隔型やreverse typeは頻度が低く,後枝型へのアブレーション後に誘発される.
参考文献
掲載誌情報