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増大号 心電図判読のスタンダード 基本を極めて臨床で活かす! 8章 心電図検査担当者の育成方法と精度管理
ISO 15189における心電図検査の精度管理
著者: 小笠原直子1
所属機関: 1帝京大学医学部附属病院中央検査部
ページ範囲:P.1331 - P.1334
文献購入ページに移動はじめに
標準12誘導心電図検査は最も汎用されている生理機能検査の1つである.反復して行われる検査の過去記録との比較が診療方針の決定のためには必須であり,検査にかかわる技師全員が正確な検査結果を提供する必要がある.そのためには各計測値の精度が担保されているという前提があり,機器精度・手技精度の管理が重要である.
心電計の精度管理については,心電計のデジタル化が進むとともに,機器精度管理はベンダーに一任することが一般的となり,外部精度管理としてのフォトサーベイが行われるのみで,実働機器の精度管理が行われていないのが現状であった.筆者が所属する帝京大学医学部附属病院中央検査部(以下,当検査部)が精度管理の試みを始めたのは2010年であったが,精度管理業務は検体検査でのみ必須で,生理検査で機器精度・手技精度とも公開情報が非常に少ない状況であった.
近年,ISO 15189が普及し,同規格の2012年版では生理検査が認定項目となったことで,検体検査に限らず生理機能検査でも精度管理の重要性が増し各施設で取り組まれるようになった.しかし,生理機能検査の精度管理については,検体検査のように確立した方法が存在せず,要求事項に従い各施設で運用を決定しているのが現状である.このような状況を踏まえ,本稿では当検査部で行っている精度管理の取り組みを紹介する.
標準12誘導心電図検査は最も汎用されている生理機能検査の1つである.反復して行われる検査の過去記録との比較が診療方針の決定のためには必須であり,検査にかかわる技師全員が正確な検査結果を提供する必要がある.そのためには各計測値の精度が担保されているという前提があり,機器精度・手技精度の管理が重要である.
心電計の精度管理については,心電計のデジタル化が進むとともに,機器精度管理はベンダーに一任することが一般的となり,外部精度管理としてのフォトサーベイが行われるのみで,実働機器の精度管理が行われていないのが現状であった.筆者が所属する帝京大学医学部附属病院中央検査部(以下,当検査部)が精度管理の試みを始めたのは2010年であったが,精度管理業務は検体検査でのみ必須で,生理検査で機器精度・手技精度とも公開情報が非常に少ない状況であった.
近年,ISO 15189が普及し,同規格の2012年版では生理検査が認定項目となったことで,検体検査に限らず生理機能検査でも精度管理の重要性が増し各施設で取り組まれるようになった.しかし,生理機能検査の精度管理については,検体検査のように確立した方法が存在せず,要求事項に従い各施設で運用を決定しているのが現状である.このような状況を踏まえ,本稿では当検査部で行っている精度管理の取り組みを紹介する.
参考文献
●富原健,他:生理検査の精度を保証するための私達の取り組み 心電図検査.Med Technol 48:124-130,2018
●大村直子,他:生理検査からみた「5.6 検査結果の品質の確保」.臨検 63:1233-1237,2019
●小笠原直子,他:ISO 15189認定施設における生理機能検査の精度管理状況調査 生理検査委員会2020アンケート集計 心電図.医療検査と自動化 47:598-615,2022
●小笠原直子:心電図検査の内部精度管理.Med Technol 51:1360-1363,2023
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