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文献詳細

雑誌文献

臨床検査68巻12号

2024年12月発行

今月の!検査室への質問に答えます・20

努力肺活量検査で,努力呼気をさせた後,最大限の力で一気に吸気をさせて最大吸気位まで吸気させるのはなぜですか?

著者: 田村東子1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会虎の門病院中央検査部

ページ範囲:P.1524 - P.1527

文献概要

はじめに

 努力肺活量(forced vital capacity:FVC)検査は,健診などでもよく行われる測定で,その測定方法は,安静呼吸が安定したのち,安静呼気位から最大吸気位まで吸気を行わせ,一気に努力呼気をさせて最大呼気位まで呼出させます(図1).努力呼気終了で測定を終了してもよいのですが,2021年発行の「呼吸機能検査ハンドブック」1)では,努力呼気終了後,最大限の力で一気に努力吸気をさせて,努力吸気肺活量(forced inspiratory vital capacity:FIVC)を測定することを推奨しています.FVCは最大吸気からの努力呼気が必要ですが,これまでの基準では最大吸気かどうか確認することが困難でした.FIVCを測定し,FVCと比較することで,測定開始時の吸気が十分かどうか判断することができます.

 本稿では,FVCの妥当性を判断するうえでFIVCを正しく測定することが重要であることを分かりやすく概説します.

参考文献

1)日本呼吸器学会肺生理専門委員会呼吸機能検査ハンドブック作成委員会(編):呼吸機能検査ハンドブック,メディカルレビュー社,2021
2)Haynes JM, Kaminsky DA:The American Thoracic Society/European Respiratory Society acceptability criteria for spirometry: asking too much or not enough?. Respir Care 60:e113-e114,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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