臨床検査68巻3号

2024年03月発行

今月の特集 こどもと臨床検査

こどもの生理検査評価で留意すること—超音波検査を中心に

著者： 鯉渕晴美¹

所属機関： ¹自治医科大学臨床検査医学

ページ範囲：P.238 - P.245

Point

●鎮静薬の使用は最小限とする．使用する際は患児の全身状態に留意し，使用時の注意事項について保護者から質問があった場合は適切に回答できるようにする．

●小児では成人とは異なる超音波像を呈する臓器があることを理解する．

●検査部位によって適切なプローブを選択する．

●誤診すると患児に多大な悪影響を及ぼしうる疾患の超音波像を理解する．

参考文献

1）Leelakanok N, Trinavarat P, Riccabona M：Common pitfalls and mistakes in pediatric ultrasound. J Med Ultrason (2001)　46：399-412，2019

2）芳本潤：小児の生理機能検査における注意点と工夫．Med Technol　45：1126-1129，2017

3）日本小児科学会：ガイドライン・提言　MRI検査時の鎮静に関する共同提言，2020（https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=33）（最終アクセス：2023年12月14日）

4）市橋光（編），野中航仁：小児超音波検査のみかた，考えかた，中外医学社，2017

5）鯉渕晴美，中村みちる，谷口信行，他：超音波による小児正常胸腺描出率の検討．超音波医　31：J97-J101，2004

6）日本乳腺甲状腺超音波医学会甲状腺用語診断基準委員会（編）：甲状腺超音波診断ガイドブック　改訂第3版，南江堂，2016

7）金川公夫，河野達夫（編）：小児超音波診断のすべて．メジカルビュー社，2015

8）岡村隆徳：小児腎泌尿器疾患における超音波検査．超音波医　49：129-139，2022

9）岡村隆徳（編）：小児超音波検査法　腹部編，医療科学社，2018

10）上原朋子，松山健：急性巣状細菌性腎炎．腎と透析　67：133-136，2009

11）長谷川慶，中山知亮，本山治，他：急性巣状細菌性腎炎における臨床像とリスクの検討．日小児腎臓病会誌　29：142-148，2016

12）南澤有紀，中村智子，松田基，他：思春期の下腹部痛を主訴に受診したOHVIRA症候群（obstructive hemivagina and ipsilateral renal anomaly syndrome）の3例．横浜医　72：71-76，2021

13）中原康雄，後藤隆文，片山修一，他：当科で経験したobstructive hemivagina and ipsilateral renal anomaly（OHVIRA）症候群の検討．日小外会誌　53：899-904，2017

14）尾本きよか（編）：体表臓器超音波診断ガイドブック　皮膚・皮下・血管・神経・筋，南江堂，2016