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文献詳細

雑誌文献

臨床検査68巻5号

2024年05月発行

文献概要

短報

石綿小体計測検査:石綿小体計測マニュアル(第3版)を中心に

著者: 田中真理1 向井春喜2 槇原康亮3

所属機関: 1独立行政法人労働者健康安全機構和歌山労災病院中央検査部 2独立行政法人労働者健康安全機構神戸労災病院中央検査部 3独立行政法人労働者健康安全機構九州労災病院病理診断科

ページ範囲:P.666 - P.670

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Abstract

 肺癌は喫煙をはじめとする多くの原因で発症するため,石綿による肺癌の認定には石綿曝露量を客観的に推定する必要がある.石綿曝露の医学的判断の1つとして石綿小体計測検査が用いられている.今回,「石綿小体計測マニュアル(第3版)」が発行され,湿潤肺組織の消化法が採用となり石綿小体の形態学的判断が比較的容易となった.しかし,非腫瘍部肺組織が4cm3大に満たない場合は従来の乾燥肺消化法を実施することになり,改訂による利点が生かされないため,できるだけ非腫瘍部肺組織を保管しておくことが重要である.

参考文献

1)神山宣彦,森永謙二,槇原康亮(監):石綿小体計測マニュアル(第3版),独立行政法人労働者健康安全機構,独立行政法人環境再生保全機構,2023
2)森永謙二,鈴木誠:石綿健康被害救済制度.検と技 48:1206-1209,2020
3)横山邦彦,瀬良好澄:有害因子と臨床検査 化学的因子 石綿.臨検 28(臨時増刊):1338-1344,1984
4)神山宣彦:石綿関連疾患と石綿小体・石綿繊維の計測.日職災医会誌 62:289-297,2014
5)由佐俊和,森永謙二,神山宣彦,他:日本における一般人の肺内石綿小体濃度.日職災医会誌 67:131-138,2019
6)高田礼子(監):石綿と健康被害 第16版,独立行政法人環境再生保全機構石綿健康被害救済部,2023
7)石綿による健康被害に係る医学的判断に関する検討会:「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方」報告書,2006(https://www.env.go.jp/chemi/report/h17-20.pdf)(最終アクセス:2024年2月29日)
8)神山宣彦,森永謙二(監):石綿小体計測マニュアル(第2版),独立行政法人労働者健康福祉機構,独立行政法人環境再生保全機構,2011
9)田中真理:石綿健康被害救済制度と石綿小体計測の現状について.会誌和臨技 44:20-26,2017
10)田中真理:石綿小体計測検査法.検と技 47:1222-1223,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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