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今月の特集 免疫・アレルギー性肺疾患と検査 疾患各論
サルコイドーシス
著者: 玉田勉1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野
ページ範囲:P.699 - P.707
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●サルコイドーシス(以下,サ症)は原因不明の全身性肉芽腫性疾患であり,ほぼ全ての臓器で病巣を形成しうるが,胸郭内病変が多いため呼吸器内科医が診療の中心となることが多い.
●病因論が国際的に統一されておらず,欧米では結核菌や非結核性抗酸菌病因説,わが国ではアクネ菌病因説が有力視されている.
●サ症に特徴的な症状と臨床検査所見に加え,組織所見が証明できる組織診断群と,心臓や眼など組織検査が困難な場合にも一定の条件を満たせば診断可能な臨床診断群とに分けられる.
●自然寛解するものから長期間の経口ステロイド(OCS)治療を要するものまで,症例ごとに経過が多様である.
●OCS長期使用による全身性副作用のリスク上昇回避に加え,疾患修飾および長期予後改善効果を示すエビデンスが乏しいことから,今後OCS代替治療薬の開発が望まれている.
●サルコイドーシス(以下,サ症)は原因不明の全身性肉芽腫性疾患であり,ほぼ全ての臓器で病巣を形成しうるが,胸郭内病変が多いため呼吸器内科医が診療の中心となることが多い.
●病因論が国際的に統一されておらず,欧米では結核菌や非結核性抗酸菌病因説,わが国ではアクネ菌病因説が有力視されている.
●サ症に特徴的な症状と臨床検査所見に加え,組織所見が証明できる組織診断群と,心臓や眼など組織検査が困難な場合にも一定の条件を満たせば診断可能な臨床診断群とに分けられる.
●自然寛解するものから長期間の経口ステロイド(OCS)治療を要するものまで,症例ごとに経過が多様である.
●OCS長期使用による全身性副作用のリスク上昇回避に加え,疾患修飾および長期予後改善効果を示すエビデンスが乏しいことから,今後OCS代替治療薬の開発が望まれている.
参考文献
1)日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会(編):サルコイドーシス診療の手引き2023,克誠堂出版,2023
2)Yamaguchi T, Costabel U, McDowell A, et al:Immunohistochemical Detection of Potential Microbial Antigens in Granulomas in the Diagnosis of Sarcoidosis. J Clin Med 10:983,2021
3)江石義信:サルコイドーシスの病因論—感染症との関連—P. acnesについて.日サルコイドーシス肉芽腫会誌 31:81-83,2011
4)Ishige I, Usui Y, Takemura T, Eishi Y:Quantitative PCR of mycobacterial and propionibacterial DNA in lymph nodes of Japanese patients with sarcoidosis. Lancet 354:120-123,1999
5)山口哲生,内田佳介,江石義信:サルコイドーシス病因論に関する文献的考察.日サルコイドーシス肉芽腫会誌 40:17-26,2020
6)村上康司,玉田勉,奈良正之,他:診断基準改訂前後のサルコイドーシスの臨床的特徴と予後予測因子としてのsIL-2R変化率の検討.日サルコイドーシス肉芽腫会誌 33:83-89,2013
7)Gerke AK:Treatment of Sarcoidosis: A Multidisciplinary Approach. Front Immunol 11:545413,2020
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