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今月の特集 免疫・アレルギー性肺疾患と検査 検査各論
検体検査
著者: 若原恵子1 石井誠2
所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科 2名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器内科学
ページ範囲:P.753 - P.758
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●免疫・アレルギー性肺疾患に対する血液検査は,診断,重症度判定,治療方針決定や経過のモニタリングに使用される.
●白血球分画・分類やC反応性タンパク(CRP)値などは,ステロイド,免疫抑制薬などの影響を受けることを考慮し,結果を解釈する必要がある.
●特異的IgE測定には,単項目測定と,スクリーニングで使用できる多項目測定がある.真菌に対する特異的IgE測定では,交差反応による偽陽性が起こる可能性があり,より精度の高いアレルゲンコンポーネント特異的IgE検査に注目が集まっている.
●血液検査は一般的に臓器特異性が低いことに留意する.喀痰検査では,気道局所の炎症評価が可能であるが標準化が難しく,現状では限られた施設でのみ施行される.
●免疫・アレルギー性肺疾患に対する血液検査は,診断,重症度判定,治療方針決定や経過のモニタリングに使用される.
●白血球分画・分類やC反応性タンパク(CRP)値などは,ステロイド,免疫抑制薬などの影響を受けることを考慮し,結果を解釈する必要がある.
●特異的IgE測定には,単項目測定と,スクリーニングで使用できる多項目測定がある.真菌に対する特異的IgE測定では,交差反応による偽陽性が起こる可能性があり,より精度の高いアレルゲンコンポーネント特異的IgE検査に注目が集まっている.
●血液検査は一般的に臓器特異性が低いことに留意する.喀痰検査では,気道局所の炎症評価が可能であるが標準化が難しく,現状では限られた施設でのみ施行される.
参考文献
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7)相良博典,東田有智(監),日本喘息学会:喘息診療実践ガイドライン2023,協和企画,2023
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9)日本呼吸器学会びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会(編):特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022 改訂第4版,南江堂,2022
10)岡崎和一,川茂幸(編集主幹),神澤輝実,川上純,川野光弘,他(編):臨床医必読 最新 IgG4関連疾患,診断と治療社,2015
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掲載誌情報