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今月の特集 超音波検査士に必要な医用超音波の基礎
音響の原理②—散乱と音場
著者: 山口匡1
所属機関: 1千葉大学フロンティア医工学センター
ページ範囲:P.917 - P.926
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●散乱とは,超音波の波長に対して小さい反射体に音波が入射した際に,反射体を中心にして反射波が広がる現象であり,反射も散乱の一種である.
●後方散乱とは,送信に用いる探触子の方向へ帰る散乱波であり,受信されるエコー信号の強度と送信信号の強度の比である後方散乱係数は,散乱体の形状,サイズ,濃度,組織種などから決定される物理量である.
●Fresnel領域(近距離音場)では超音波ビームは平面波として進行できるが,それを超えたFraunhofer領域(遠距離音場)では球面状に拡散してしまう.
●グレーティングローブはアレイプローブでのみ発生し,超音波の波長に対して振動子間距離を小さくすることで発生を抑制することができる.
●1次元アレイプローブでは,主にパルス幅によって距離分解能が,波長と開口の関係で方位分解能が,音響レンズによってスライス分解能が決定される.
●散乱とは,超音波の波長に対して小さい反射体に音波が入射した際に,反射体を中心にして反射波が広がる現象であり,反射も散乱の一種である.
●後方散乱とは,送信に用いる探触子の方向へ帰る散乱波であり,受信されるエコー信号の強度と送信信号の強度の比である後方散乱係数は,散乱体の形状,サイズ,濃度,組織種などから決定される物理量である.
●Fresnel領域(近距離音場)では超音波ビームは平面波として進行できるが,それを超えたFraunhofer領域(遠距離音場)では球面状に拡散してしまう.
●グレーティングローブはアレイプローブでのみ発生し,超音波の波長に対して振動子間距離を小さくすることで発生を抑制することができる.
●1次元アレイプローブでは,主にパルス幅によって距離分解能が,波長と開口の関係で方位分解能が,音響レンズによってスライス分解能が決定される.
参考文献
1)山口匡:散乱.音響学講座8 超音波(日本音響学会編,渡辺好章編著,斎藤繁実,竹内正男,酒井啓司,他著),コロナ社,pp172-177,2022
2)辻本文雄:超音波医学事典,学研メディカル秀潤社,p48,2000
3)辻本文雄:超音波医学事典,学研メディカル秀潤社,pp150-151,2000
4)斎藤繁実:超音波の基礎.超音波医 30:J299-J316,2003
5)辻本文雄:超音波医学事典,学研メディカル秀潤社,pp166-167,2000
6)長井裕:最新超音波診断装置の分解能.超音波医 34:151-157,2007
7)辻本文雄:超音波医学事典,学研メディカル秀潤社,pp491-492,2000
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