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文献概要
今月の特集 超音波検査士に必要な医用超音波の基礎
生体の音響特性
著者: 工藤信樹1
所属機関: 1北海道大学情報科学研究院
ページ範囲:P.927 - P.931
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●生体組織の音響特性は,組織を構成する物質自体の特性と,物質が形成する構造の両方に依存する.骨化していない軟部組織(soft tissue)の音速は1,500m/s台が多く,骨の音速は軟部組織の数倍である.
●軟部組織の固有音響インピーダンスは,約1.6×106kg/s/m2台が多く,骨は約7.8×106kg/s/m2である.超音波診断装置は,軟部組織の境界で起きるたかだか数%程度の反射を可視化する.
●生体組織中を伝搬する超音波は,吸収・散乱・拡散の3つの機序により減衰する.周波数が高く指向性の鋭い超音波を用いる超音波診断では,散乱の影響が支配的である.
●超音波診断装置では,生体組織の音響特性により減衰・散乱・反射・屈折・干渉した超音波を画像化する.それゆえ,これらの現象を十分に理解することは診断画像を正しく理解するうえで重要である.
●生体組織の音響特性は,組織を構成する物質自体の特性と,物質が形成する構造の両方に依存する.骨化していない軟部組織(soft tissue)の音速は1,500m/s台が多く,骨の音速は軟部組織の数倍である.
●軟部組織の固有音響インピーダンスは,約1.6×106kg/s/m2台が多く,骨は約7.8×106kg/s/m2である.超音波診断装置は,軟部組織の境界で起きるたかだか数%程度の反射を可視化する.
●生体組織中を伝搬する超音波は,吸収・散乱・拡散の3つの機序により減衰する.周波数が高く指向性の鋭い超音波を用いる超音波診断では,散乱の影響が支配的である.
●超音波診断装置では,生体組織の音響特性により減衰・散乱・反射・屈折・干渉した超音波を画像化する.それゆえ,これらの現象を十分に理解することは診断画像を正しく理解するうえで重要である.
参考文献
1)Duck FA:Physical properties of tissue: a comprehensive reference book, Academic Press, London,1990
2)Goss SA, Johnston RL, Dunn F:Comprehensive compilation of empirical ultrasonic properties of mammalian tissues. J Acoust Soc Am 64:423-457,1978
3)Goss SA, Johnston RL, Dunn F: Compilation of empirical ultrasonic properties of mammalian tissues. II. J Acoust Soc Am 68:93-108,1980
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