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文献詳細

雑誌文献

臨床検査68巻8号

2024年08月発行

文献概要

今月の特集 超音波検査士に必要な医用超音波の基礎

パルスエコー法(超音波パルス法)

著者: 椎名毅1

所属機関: 1芝浦工業大学大学院理工学研究科

ページ範囲:P.932 - P.943

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Point

●超音波診断装置の原理であるパルスエコー法では,超音波パルスを体内に送信し,組織境界で反射したパルス波の伝搬時間から組織の境界の位置を,信号の強度から組織の不連続の程度の情報を得て実時間で断層像を構築する.

●距離分解能の高い超音波像を得るにはパルス幅の短い広帯域なパルス波が適している.一方で,高周波ほど減衰が大きくなるため,深部の計測には低周波のパルスが適している.

●超音波の音速は有限のため,画像の表示範囲と速度はトレードオフの関係にある.そのため,心臓などの早い動きの計測においては,深さや表示幅などを制限する必要がある.

●超音波像のアーチファクトは生体組織の音速などの不均一性により生じるため,完全になくすことはできないが,発生の有無を識別し軽減させることは可能であり,さらにアーチファクトを診断情報として利用する場合もある.

参考文献

1)椎名毅:第1章 放射線画像検査技術(超音波検査の原理と特徴).図解 診療放射線技術実践ガイド 第一線で必ず役立つ知識・実践のすべて 第3版(遠藤啓吾編),文光堂,2014
1)日本電子機械工業会(編):改訂 医用超音波機器ハンドブック,コロナ社,1997
2)椎名毅:第2章 超音波による生体情報の可視化.非侵襲・可視化技術ハンドブック ナノ・バイオ・医療から情報システムまで(小川誠二,上野照剛監),エヌ・ティ・エス,2007
3)椎名毅:第10章 超音波.放射線技術学シリーズ 放射線物理学(日本放射線技術学会監,遠藤真広,西臺武弘編),オーム社,2006
4)椎名毅:超音波の原理と特徴.図解 診療放射線技術実践ガイド 第一線で必ず役立つ知識・実践のすべて 第4版(遠藤啓吾編),文光堂,pp71-75,2020
5)椎名毅:第13章 超音波診断装置.MEの基礎知識と安全管理 改訂第8版,南江堂,2023

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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