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文献詳細

雑誌文献

臨床検査68巻8号

2024年08月発行

文献概要

今月の特集 超音波検査士に必要な医用超音波の基礎

音響的安全性

著者: 秋山いわき1

所属機関: 1同志社大学生命医科学部医情報学科

ページ範囲:P.974 - P.980

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Point

●超音波診断装置が他の画像診断装置に比べて安全であると考えられている根拠は,分子レベルのエネルギーの大きな差と考えられている.

●超音波強度が高ければ照射時間は短くても生体作用が顕著となり,強度が低くても照射時間が長いと生体作用を無視できない.超音波では照射時間が長くても生体作用を無視できる強度の閾値が存在する.

●超音波の生体作用は超音波照射された生体組織がその音響エネルギーを吸収して熱エネルギーに変換する熱的作用と,それ以外の非熱的作用に分類される.非熱的作用のなかでもキャビテーション発生が最も顕著な生体作用である.

●熱的作用を示す指標がサーマルインデックス(TI),キャビテーションによる非熱的作用を示す指標がメカニカルインデックス(MI)である.これらの指標はリアルタイムにモニターへ表示される.

参考文献

1)日本超音波医学会安全委員会,電子情報技術産業協会医用超音波専門委員会(編):超音波診断装置の安全性に関する資料,2023(https://www.jsum.or.jp/committee/uesc/pdf/safty.pdf)(最終アクセス:2024年5月29日)
2)British Medical Ultrasound Society (BMUS):STATEMENT ON THE SAFE USE, AND POTENTIAL HAZARDS OF DIAGNOSTIC ULTRASOUND, 2000(https://www.bmus.org/static/uploads/resources/STATEMENT_ON_THE_SAFE_USE_AND_POTENTIAL_HAZARDS_OF_DIAGNOSTIC_ULTRASOUND.pdf)(最終アクセス:2024年5月29日)
3)American Institute of Ultrasound in Medicine (AIUM):Recommended Maximum Scanning Times for Displayed Thermal Index (TI) Values, 2022(https://www.aium.org/resources/official-statements/view/recommended-maximum-scanning-times-for-displayed-thermal-index-(ti)-values)(最終アクセス:2024年5月29日)
4)Safety Group of the British Medical Ultrasound Society (BMUS):Guidelines for the safe use of diagnostic ultrasound equipment. Ultrasound 18:52-59,2010
5)日本超音波医学会機器及び安全に関する委員会:胎児超音波検査の安全性について.超音波医 39:541-548,2012(https://www.jsum.or.jp/committee/uesc/pdf/39-5.pdf)(最終アクセス:2024年5月29日)
6)日本超音波医学会機器及び安全に関する委員会:経腟プローブの取扱いに関する注意(https://www.jsum.or.jp/committee/uesc/pdf/prove_care.pdf)(最終アクセス:2024年5月29日)
7)日本超音波医学会機器及び安全に関する委員会:経食道心エコープローブの洗浄について,2017(https://www.jsum.or.jp/committee/uesc/pdf/tee_cleaning.pdf)(最終アクセス:2024年5月29日)
8)Wolfram F, Miller D, Demi L, et al:Best Practice Recommendations for the Safe use of Lung Ultrasound. Empfehlungen zur sicheren Anwendung des Ultraschalls an der Lunge. Ultraschall Med 44:516-519,2023

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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