文献詳細
文献概要
今月の特集 知っておきたい睡眠時無呼吸症候群
CPAP療法
著者: 渡部良雄1
所属機関: 1昭和大学病院呼吸器・アレルギー内科/昭和大学病院附属東病院睡眠医療センター
ページ範囲:P.1060 - P.1068
文献購入ページに移動Point
●持続陽圧呼吸療法(CPAP)は,わが国では中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対するCPAPが保険適用となっている.この40年以上の歴史で,その有効性や治療効果についてはさまざまな報告があり,機能の追加や機器の進歩がみられる.
●CPAPの治療継続率は5〜8割程度,さらに良好な治療効果が得られるアドヒアランス良好な患者は4割程度と低く,いまだ課題は多い状況にある.
●CPAPアドヒアランスの向上・維持には,担当医のみならず多職種によるアプローチが必要であり,特に睡眠検査やCPAP設定・レポートに関与しては検査技師の貢献は重要である.
●持続陽圧呼吸療法(CPAP)は,わが国では中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対するCPAPが保険適用となっている.この40年以上の歴史で,その有効性や治療効果についてはさまざまな報告があり,機能の追加や機器の進歩がみられる.
●CPAPの治療継続率は5〜8割程度,さらに良好な治療効果が得られるアドヒアランス良好な患者は4割程度と低く,いまだ課題は多い状況にある.
●CPAPアドヒアランスの向上・維持には,担当医のみならず多職種によるアプローチが必要であり,特に睡眠検査やCPAP設定・レポートに関与しては検査技師の貢献は重要である.
参考文献
1)Sullivan CE:Physiology in Sleep, Academic Press, New York, pp213-272, 1980
2)日本呼吸器学会,厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究」班(監),睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン作成委員会(編):睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020,南江堂,2020
3)日本循環器学会,日本高血圧学会,日本呼吸器学会,他:2021-2022年度活動 2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン,2023(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/JCS2023_kasai.pdf)(最終アクセス:2024年7月16日)
4)厚生労働省:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 令和6年3月5日 保医発0305第4号,2024(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001219505.pdf)(最終アクセス:2024年7月16日)
5)厚生労働省:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 令和6年 厚生労働省告示第57号 別表第一(医科点数表),2024(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001251499.pdf)(最終アクセス:2024年7月16日)
6)厚生労働省:令和4年社会医療診療行為別統計の概況,2022(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/sinryo/tyosa22/)(最終アクセス:2024年7月16日)
7)帝人ファーマ株式会社:TEIJIN Medical Web 睡眠時無呼吸症候群へのCPAP療法(髙崎雄司監)(https://medical.teijin-pharma.co.jp/lifestyledisease/cpap.html)(最終アクセス:2024年7月16日)
8)株式会社フィリップス:スリープ&レスピラトリケア(https://www.philips.co.jp/healthcare/solutions/sleep-and-respiratory-care)(最終アクセス:2024年7月16日)
9)フクダ電子株式会社:経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)について(https://www.fukuda.co.jp/medical/inhome_medical/service/cpap.html)(最終アクセス:2024年7月16日)
10)チェスト株式会社:睡眠医療(https://www.chest-mi.co.jp/buisiness_division/sas/)(最終アクセス:2024年7月16日)
11)Marin JM, Carrizo SJ, Vicente E, et al:Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without treatment with continuous positive airway pressure: an observational study. Lancet 365:1046-1053,2005
12)Kribbs NB, Pack AI, Kline LR, et al:Objective measurement of patterns of nasal CPAP use by patients with obstructive sleep apnea. Am Rev Respir Dis 147:887-895,1993
13)Allen KY, Bolling S, Selecky PA, et al:The Clinician's Guide to PAP Adherence, American Association for Respiratory Care, 2009
14)株式会社フィリップス・ジャパン:フィリップス社製CPAP装置,ASV装置,人工呼吸器の是正(回収)措置に関するご報告(https://www.philips.co.jp/healthcare/e/sleep/communications/src-update/information-for-physicians-and-providers)(最終アクセス:2024年7月16日)
15)日本呼吸器学会:【呼吸管理学術部会】Philips社製陽圧換気療法機器に関する安全通知(A field safety notice)について(第1報),2021(https://www.jrs.or.jp/information/assemblies/rc/20210616094950.html)(最終アクセス:2024年7月16日)
16)日本呼吸器学会:【呼吸管理学術部会】Philips社製陽圧換気療法機器に関する安全通知(A field safety notice)について(第2報),2021(https://www.jrs.or.jp/information/assemblies/rc/20210625095312.html)(最終アクセス:2024年7月16日)
17)日本睡眠学会:Philips社製陽圧換気療法機器に関する安全通知(A field safety notice)について,2021(https://jssr.jp/pdf/20210623.pdf)(最終アクセス:2024年7月16日)
18)株式会社フィリップス・ジャパン:マグネット式クリップを使用する特定の陽圧治療用マスクに関する安全性通知,2022(https://www.philips.com/c-dam/Home-page-content/ja_JP/src_recall/Notification_Masks_with_Magnets_20220930.pdf)(最終アクセス:2024年7月16日)
掲載誌情報