icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査7巻10号

1963年10月発行

文献概要

研究

血清総コレステリン測定における微量採量による誤差の検討およびその対策

著者: 柚木光男1 小野寺理1 大野勝也1

所属機関: 1三重県立大学医学部付属病院中央検査部

ページ範囲:P.780 - P.780

文献購入ページに移動
 血清総コレステリンの測定にはZak-Henly変法が広く行なわれており,われわれも同法により血清0.05mlを用いて測定している。この程度の微量採量の場合にはピペット内容を洗い込み操作を行なって採量するのが原則であるが,Zak-Henly法においては氷酢酸を用いるため洗い込み操作が行なえない。われわれはこの際ピペットに付着して残る血清量が測定誤差となるか否かにつき疑問をもち,下記のごとき検討を行なった。
1)ピペットに付着して残る血清量を重量法により測定した。すなわち化学天秤を用いてピペットの重量を秤り,次いで同一ピペット血清を所定量吸いこんだままで秤り,更にそのピペットの内容を試験管に採量した後ピペットの先端をぬぐわずに秤って,ピペットに付着して残る血清量を算出しこれを百分率で現わした。萱垣の超微量ピペットを用いて注意深く行なった場合にはピペットに付着して残る血清量は0.7%前後であるが,0.1mlあるいは0.05mlのメスピペットを用いて注意深く行なうときは3%前後,不注意に粗雑な操作で行なうと10%に及ぶ血清残存率が確かめられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?