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文献詳細

雑誌文献

臨床検査7巻12号

1963年12月発行

文献概要

技術解説

抗原感作タンニン酸赤血球凝集反応および抑制反応の手技

著者: 熊谷直秀1 西村俊夫1

所属機関: 1東大分院内科

ページ範囲:P.896 - P.904

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はしがき
 赤血球が種々の抗原性物質を表面に吸着する性質を有することは,Landsteiner以来知られていた。Keogh,North,Warburtonら(1948)1)は,H.influenzaeの菌体多糖体を以て赤血球を感作すると,かかる赤血球はその免疫血清と特異的な赤血球凝集反応を呈し得ることを報告した。MiddlebrookとDubos2)は結核菌についてこれを行ない,Rothbardら(1950)の追試により「結核の活動性の診断に用い得る」と発表されたため,注目され,いわゆるMiddlebrook-Dubos反応として盛んに検討された。Boyden (1951)3)はその追試中,赤血球に抗原液を感作させる前に希薄なタンニン酸溶液で前処置しておくと,抗原液中のタンパク質性抗原が容易に吸着されることを発見した。すなわち,Keogh,Middlebrook-Dubos型の反応が主として多糖体性抗原に用いられるに反し,Boyden型の反応は主としてタンパク質性抗原に応用し得るところに特徴を有する。
以来,この反応は抗原として高分子化合物4),卵白アルブミン5),血清タンパク質5)6)7),毒素5)8),ウイルス(単純ヘルペス9)10)13),アデノ11)12),オウム病30)等),細菌(P.P.D,15)16)ペスト菌14),溶連菌17)18)等),原虫および寄生虫(シストゾミア20),施毛虫21),トキソプラスマ22)49),エキノコックス23),アスカリス19)等),枯草熱抗原24),血小板25)26)27),白血球28),赤血球血液型質29),臓器抗原(甲状腺31)32)34)36),腎38))等多くのものに用いられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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